牛ウイルス性下痢ウイルス持続感染牛の導入による同ウイルスの農場内伝播

牛ウイルス性下痢ウイルス(BVDV)清浄地域の搾乳牛約70頭規模の酪農家において、BVDV感染症の発生に遭遇した。感染源は、当該農場の飼育牛全頭の抗体検査及びBVDV遺伝子の検査の結果、他地域から導入された持続感染(PI)牛であることが明らかとなった。感染源PI牛の淘汰、産子のウイルス学的検査による新たなPI牛の特定・淘汰により発生農家の清浄化に成功した。当酪農場の周辺に位置する13酪農場のバルク乳から同ウイルス遺伝子は検出されなかった。当該発生農場での直接的な被害は、流産6頭発生の他、感染源の導入PI牛および新たに娩出されたPI子牛10頭の合計11頭の淘汰であった。新たなPI牛は感染源PI牛...

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Published inJapanese Journal of Veterinary Clinics Vol. 32; no. 3; pp. 115 - 119
Main Authors 伊藤, 隆, 木村, 衆, 鎌田, 久祥, 阿部, 由香, 佐藤, 行, 小川, 秀治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本家畜臨床学会 ・ 大動物臨床研究会 2009
日本家畜臨床学会
Subjects
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ISSN1346-8464
1883-4604
DOI10.4190/jjvc.32.115

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Summary:牛ウイルス性下痢ウイルス(BVDV)清浄地域の搾乳牛約70頭規模の酪農家において、BVDV感染症の発生に遭遇した。感染源は、当該農場の飼育牛全頭の抗体検査及びBVDV遺伝子の検査の結果、他地域から導入された持続感染(PI)牛であることが明らかとなった。感染源PI牛の淘汰、産子のウイルス学的検査による新たなPI牛の特定・淘汰により発生農家の清浄化に成功した。当酪農場の周辺に位置する13酪農場のバルク乳から同ウイルス遺伝子は検出されなかった。当該発生農場での直接的な被害は、流産6頭発生の他、感染源の導入PI牛および新たに娩出されたPI子牛10頭の合計11頭の淘汰であった。新たなPI牛は感染源PI牛導入時点での胎齢が10日~98日のものに発現し、発生頻度は 34.5%(10/29頭)であった。
Bibliography:ZZ20020638
782893
ISSN:1346-8464
1883-4604
DOI:10.4190/jjvc.32.115