森林教育の領域に関する実証的考察

森林教育の実践は広がっており,森林教育の研究が検討すべき対象が拡大している。森林教育の名称や定義については一定の概念整理が行われているが,森林教育の領域については十分な検討がされていない。一方,教育分野においては生涯学習に関する基本概念としてフォーマル教育,ノンフォーマル教育,インフォーマル教育の区分が行われている。本研究はこの区分に基づいた森林教育の領域の確認を目的とした。文献調査法を用いて各区分に該当する実践を確認した結果,森林教育の領域は,(1)市民を育成対象とする普通教育と,(2)森林・林業の専門家を育成対象とする専門教育の二つの区分で構成されるフォーマル教育,(3)市民を育成対象とす...

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Published inNihon Shinrin Gakkaishi Vol. 102; no. 3; pp. 166 - 172
Main Authors 大石, 康彦, 井上, 真理子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本森林学会 01.06.2020
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ISSN1349-8509
1882-398X
DOI10.4005/jjfs.102.166

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Summary:森林教育の実践は広がっており,森林教育の研究が検討すべき対象が拡大している。森林教育の名称や定義については一定の概念整理が行われているが,森林教育の領域については十分な検討がされていない。一方,教育分野においては生涯学習に関する基本概念としてフォーマル教育,ノンフォーマル教育,インフォーマル教育の区分が行われている。本研究はこの区分に基づいた森林教育の領域の確認を目的とした。文献調査法を用いて各区分に該当する実践を確認した結果,森林教育の領域は,(1)市民を育成対象とする普通教育と,(2)森林・林業の専門家を育成対象とする専門教育の二つの区分で構成されるフォーマル教育,(3)市民を育成対象とする社会教育および林業普及と,(4)森林・林業の専門家を育成対象とする林業普及と職業訓練の二つの区分で構成されるノンフォーマル教育,(5)市民を育成対象とする家庭教育等で構成されるインフォーマル教育の,あわせて5区分で構成されることが確認された。
Bibliography:935584
ZZ20018854
ISSN:1349-8509
1882-398X
DOI:10.4005/jjfs.102.166