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カニクイザルの乳および血清のタウリンとその他の遊離アミノ酸について
カニクイザルの乳および血清の非タンパク態窒素, 尿素, タウリンとその他の遊離アミノ酸を定量し, 人乳と牛乳の含量と比較した。 カニクイザル乳のタンパク質含量は泌乳14日で成乳値に達した。 非タンパク態窒素は全窒素中12~14%を占め, 尿素窒素が非タンパク態窒素中に占める割合は50~60%であった。 カニクイザル乳の泌乳30日までのタウリン含量の平均値は100ml中43~53μmol (5.4~6.6mg) の範囲にあり, 人乳の36~42μmol (4.5~5.3mg) と比較するとやや高値であった。 アミノ酸パターンは泌乳期によって異なったが, グルタミン酸, タウリン, ブルタミン,...
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Published in | Nihon Eiyō, Shokuryō Gakkai shi Vol. 37; no. 5; pp. 447 - 455 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
1984
日本栄養・食糧学会 |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0287-3516 1883-2849 |
DOI | 10.4327/jsnfs.37.447 |
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Summary: | カニクイザルの乳および血清の非タンパク態窒素, 尿素, タウリンとその他の遊離アミノ酸を定量し, 人乳と牛乳の含量と比較した。 カニクイザル乳のタンパク質含量は泌乳14日で成乳値に達した。 非タンパク態窒素は全窒素中12~14%を占め, 尿素窒素が非タンパク態窒素中に占める割合は50~60%であった。 カニクイザル乳の泌乳30日までのタウリン含量の平均値は100ml中43~53μmol (5.4~6.6mg) の範囲にあり, 人乳の36~42μmol (4.5~5.3mg) と比較するとやや高値であった。 アミノ酸パターンは泌乳期によって異なったが, グルタミン酸, タウリン, ブルタミン, アスパラギン酸, アラニン, セリンが比較的多いアミノ酸であった。 カニクイザル乳のアミノ酸パターンは牛乳よりも人乳のパターンにより近似していた。 遊離アミノ酸の総量は147~190μmolでみり, 人乳 (227~254mol) より低値であった。 エタノールアミン, ホスホエタノールアミン, ホスホセリンは人乳と同様にカニクイザル乳にも検出された。 カニクイザル乳の遊離アミノ酸の大部分は母血清と比較して低値であったが, タウリン, アスパラギン酸, グルタミン酸, グルタミンは母血清との差が少なく, 泌乳期によっては高値を示した。 エタノールアミン, ホスホセリンは乳のほうが血清より高値であった。 カニクイザルの母・仔血清遊離アミノ酸を比較すると, ブロリン, アラニンは母血清が高く, タウリン, グルタミン酸は仔血清のほうが高値であった。 カニクイザル乳仔の血清タウリン値は, 生後30日齢において, 100ml中, 35.13±9.25μmolであり, ヒト母乳栄養児 (20.61±9.95μmol) より高かった。 |
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Bibliography: | ZZ00014795 300507 |
ISSN: | 0287-3516 1883-2849 |
DOI: | 10.4327/jsnfs.37.447 |