飼育温度および飼料組成のラット体組成に及ぼす影響

高糖食と等エネルギーにするためセルロースを多量に加えた高脂肪食と高糖食より, 高エネルギーの高脂肪食についてタンパク質代謝およびエネルギー代謝に及ぼす影響を23℃と8℃の環境温で飼育したラットで比較し, 次のような結果を得た。 1) 23℃飼育では, 窒素の保留は高糖食 (HC), 等エネルギー高脂肪食 (HF1), 高エネルギー高脂肪食 (HF2) の順によく, エネルギーの保留はHF2>HF1>HCの順によかった。 2) 低温飼育ではどの飼料もエネルギーの保留は著しく悪くなった。なかでも, セルロースを多量に摂取したHF1が最も悪くなった。 3) 窒素の保留はどの飼料も23℃と...

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Published inNihon Eiyō, Shokuryō Gakkai shi Vol. 36; no. 6; pp. 435 - 441
Main Authors 山下, かなへ, 中辻, 和子, 鈴木, 弘子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本栄養・食糧学会 1983
日本栄養・食糧学会
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Summary:高糖食と等エネルギーにするためセルロースを多量に加えた高脂肪食と高糖食より, 高エネルギーの高脂肪食についてタンパク質代謝およびエネルギー代謝に及ぼす影響を23℃と8℃の環境温で飼育したラットで比較し, 次のような結果を得た。 1) 23℃飼育では, 窒素の保留は高糖食 (HC), 等エネルギー高脂肪食 (HF1), 高エネルギー高脂肪食 (HF2) の順によく, エネルギーの保留はHF2>HF1>HCの順によかった。 2) 低温飼育ではどの飼料もエネルギーの保留は著しく悪くなった。なかでも, セルロースを多量に摂取したHF1が最も悪くなった。 3) 窒素の保留はどの飼料も23℃と8℃で有意差はなかったが, HF2は低温のほうが多くなる傾向にあった。 4) セルロースを多量に摂取するHF1は他の飼料よりタンパク質のみかけの消化吸収率は悪くなったが, 脂肪の消化吸収はHF2とほぼ同じであった。 5) タンパク質, 脂肪の消化吸収はどの飼料も飼育環境温度の影響を受けなかった。
Bibliography:ZZ00014795
281473
ISSN:0287-3516
1883-2849
DOI:10.4327/jsnfs.36.435