生あん中のシアン化合物分析法の性能評価と生あん中のシアン化合物の実態調査

生あん中のシアン化合物の規格への適合を判定する試験法として,水蒸気蒸留—ピリジンカルボン酸・ピラゾロン法を検討した.生あんでは豆に含まれていたシアン配糖体分解酵素が失活している恐れがあるため,本法ではリナマラーゼによるシアン配糖体分解操作を加えた.シアン化物イオンとして5 mg/kgおよび10 mg/kgに相当するシアン配糖体(リナマリン)を生あん2種に添加した分析結果から推定された真度は86~90%,併行精度は1.0~2.4%,室内精度は2.6~4.9%であった.本法は5~10 mg/kgのシアン化合物を分析する方法として妥当であることが確認された.評価した分析法を用い...

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Published inShokuhin eiseigaku zasshi Vol. 54; no. 4; pp. 345 - 350
Main Authors 松田, りえ子, 石井, 利華, 堤, 智昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本食品衛生学会 25.08.2013
日本食品衛生学会
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ISSN0015-6426
1882-1006
DOI10.3358/shokueishi.54.345

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Summary:生あん中のシアン化合物の規格への適合を判定する試験法として,水蒸気蒸留—ピリジンカルボン酸・ピラゾロン法を検討した.生あんでは豆に含まれていたシアン配糖体分解酵素が失活している恐れがあるため,本法ではリナマラーゼによるシアン配糖体分解操作を加えた.シアン化物イオンとして5 mg/kgおよび10 mg/kgに相当するシアン配糖体(リナマリン)を生あん2種に添加した分析結果から推定された真度は86~90%,併行精度は1.0~2.4%,室内精度は2.6~4.9%であった.本法は5~10 mg/kgのシアン化合物を分析する方法として妥当であることが確認された.評価した分析法を用いて,国内で製造された生あん28試料中のシアン化合物量を測定した.27試料については5 mg/kg未満であったが,1試料において15 mg/kgのシアン化合物が認められた.
Bibliography:853364
ZZ00009680
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.54.345