LC-MSおよびLC-MS/MSによる穀類中の遊離アスパラギン分析法の開発

LC-MSおよびLC-MS/MSによるアクリルアミドの前駆体である遊離アスパラギン(Asn)の穀類中の分析法を開発した.試料中から5%(w/v)トリクロロ酢酸溶液でAsnを抽出し,0.1%(v/v)ギ酸溶液で適宜希釈した後,LC-MSまたはLC-MS/MSで測定した.分析カラムはPenta Fluoro Phenyl(PFP)カラムを用い,0.1%(v/v)ギ酸溶液とアセトニトリルのアイソクラティック溶出により行った.検量線は,0.005~0.1 μg/mLの範囲で良好な直線性を示した.片栗粉,うるち米粉,小麦全粒粉の3試料を用いて添加回収実験を行った結果,平均回収率は95.4~100.9%,...

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Published inShokuhin eiseigaku zasshi Vol. 59; no. 5; pp. 248 - 256
Main Authors 土屋, 仁, 藤田, 和弘, 近宗, 雅人, 猪之鼻, 修一, 横関, 俊昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本食品衛生学会 25.10.2018
日本食品衛生学会
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ISSN0015-6426
1882-1006
DOI10.3358/shokueishi.59.248

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Summary:LC-MSおよびLC-MS/MSによるアクリルアミドの前駆体である遊離アスパラギン(Asn)の穀類中の分析法を開発した.試料中から5%(w/v)トリクロロ酢酸溶液でAsnを抽出し,0.1%(v/v)ギ酸溶液で適宜希釈した後,LC-MSまたはLC-MS/MSで測定した.分析カラムはPenta Fluoro Phenyl(PFP)カラムを用い,0.1%(v/v)ギ酸溶液とアセトニトリルのアイソクラティック溶出により行った.検量線は,0.005~0.1 μg/mLの範囲で良好な直線性を示した.片栗粉,うるち米粉,小麦全粒粉の3試料を用いて添加回収実験を行った結果,平均回収率は95.4~100.9%,併行精度(RSDr)は0.9~6.0%,室内精度(RSDwr)は2.8~7.1%の良好な結果が得られた.本法による定量限界は,片栗粉で7 mg/kg,うるち米粉で5 mg/kgであった.また,遊離アスパラギンを含有しているうるち玄米粉,コーンフラワー,小麦強力粉,小麦全粒粉,ライ麦粉の5種類を用いて10試験室による試験室間共同試験を実施したところ,HORRATr値は0.4~1.0とCodex委員会が定める性能基準の2以下であったことから,本法の有効性が示唆された.
Bibliography:925508
ZZ00009680
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.59.248