ツキヨタケ中毒の6例

ツキヨタケ中毒の6 例を報告する。ある住民が採取してきたキノコを,バター焼きにして近隣住民6 人で食べた。食事開始1 時間から1 時間30分で嘔気が出現し,全員が当院救急外来を受診した。救急隊により,摂取したキノコがツキヨタケである可能性が示された。入院し対症的,保存的加療を行ない,全員翌日に退院した。しかしながら, 1 名が退院翌日からの腹痛,食思不振のため,もう1 名が退院当日からの嘔吐,下血のため,退院翌々日に再入院となり,後者はCT で十二指腸から空腸に強い壁肥厚を認めた。  ツキヨタケ(Lampteromyces japonicus)による典型的な症状は,摂取後30分から3時間での嘔...

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Published inNihon Nōson Igakkai zasshi Vol. 66; no. 4; pp. 499 - 503
Main Authors 小松, 修, 唐澤, 忠宏, 松下, 智人, 小林, 史岳, 安達, 亙
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 30.11.2017
日本農村医学会
Subjects
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ISSN0468-2513
1349-7421
DOI10.2185/jjrm.66.499

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Summary:ツキヨタケ中毒の6 例を報告する。ある住民が採取してきたキノコを,バター焼きにして近隣住民6 人で食べた。食事開始1 時間から1 時間30分で嘔気が出現し,全員が当院救急外来を受診した。救急隊により,摂取したキノコがツキヨタケである可能性が示された。入院し対症的,保存的加療を行ない,全員翌日に退院した。しかしながら, 1 名が退院翌日からの腹痛,食思不振のため,もう1 名が退院当日からの嘔吐,下血のため,退院翌々日に再入院となり,後者はCT で十二指腸から空腸に強い壁肥厚を認めた。  ツキヨタケ(Lampteromyces japonicus)による典型的な症状は,摂取後30分から3時間での嘔吐,下痢,腹痛だが,重症例では数日後に腸管の浮腫をきたすことがあるため,注意が必要である。
Bibliography:ZZ00011651
920851
ISSN:0468-2513
1349-7421
DOI:10.2185/jjrm.66.499