温度勾配ビニルハウスを用いた水稲の高温登熟性の評価

温度勾配ビニルハウス(Temperature Gradient Chamber: TGC)を利用し,温度上昇に伴う品質低下程度の品種間差異について検討した.TGCを用いることで,登熟期の温度条件のみが異なる条件を設定することが可能であった.5品種について,高温登熟性の指標として,白未熟粒発生率,乳白粒発生率,基白粒・背白粒発生率と登熟期間の平均気温の関係について調査したところ,「ひとめぼれ」は乳白粒,「新潟早生」は基白粒・背白粒の発生率が他の品種よりも特異的に高く,多発する温度域も低いことが示された.また,設定した作期によって,白未熟粒の発生率や白未熟粒の種類は,高温に遭遇する時期や検定の温度...

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Published inIkushugaku kenkyu Vol. 7; no. 2; pp. 95 - 101
Main Authors 永畠, 秀樹, 山元, 皓二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本育種学会 2005
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ISSN1344-7629
1348-1290
DOI10.1270/jsbbr.7.95

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Summary:温度勾配ビニルハウス(Temperature Gradient Chamber: TGC)を利用し,温度上昇に伴う品質低下程度の品種間差異について検討した.TGCを用いることで,登熟期の温度条件のみが異なる条件を設定することが可能であった.5品種について,高温登熟性の指標として,白未熟粒発生率,乳白粒発生率,基白粒・背白粒発生率と登熟期間の平均気温の関係について調査したところ,「ひとめぼれ」は乳白粒,「新潟早生」は基白粒・背白粒の発生率が他の品種よりも特異的に高く,多発する温度域も低いことが示された.また,設定した作期によって,白未熟粒の発生率や白未熟粒の種類は,高温に遭遇する時期や検定の温度条件で変化し,高温登熟性の評価に影響を与えることが示された.
Bibliography:ZZ00015503
720036
ISSN:1344-7629
1348-1290
DOI:10.1270/jsbbr.7.95