食中毒原因究明のための遺伝子解析によるキノコ鑑別

従来,キノコは形態学的観察によって分類されるが,見分けるには高度な専門的知識を必要とする.そこで本研究では,キノコの遺伝子解析を利用し,食中毒発生時における原因究明を目的とする形態学的特徴に基づく同定技術がなくても可能なキノコ鑑別法の検討を試みた.キノコの非翻訳領域(internal transcribed spacer; ITS)の塩基配列を解析し,データベースと照合することでキノコの鑑別を試みたところ,本研究で使用した12種すべての試料で鑑別が可能であった.また,調理および調理後の人工胃液消化処理による解析への影響も検討したところ,調理による解析への影響は見られなかったが,胃液消化によるD...

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Published inShokuhin eiseigaku zasshi Vol. 53; no. 5; pp. 237 - 242
Main Authors 佐久間, 大輔, 山野, 哲夫, 昌山, 敦, 紀, 雅美, 清水, 充, 村上, 太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本食品衛生学会 25.10.2012
日本食品衛生学会
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ISSN0015-6426
1882-1006
DOI10.3358/shokueishi.53.237

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Summary:従来,キノコは形態学的観察によって分類されるが,見分けるには高度な専門的知識を必要とする.そこで本研究では,キノコの遺伝子解析を利用し,食中毒発生時における原因究明を目的とする形態学的特徴に基づく同定技術がなくても可能なキノコ鑑別法の検討を試みた.キノコの非翻訳領域(internal transcribed spacer; ITS)の塩基配列を解析し,データベースと照合することでキノコの鑑別を試みたところ,本研究で使用した12種すべての試料で鑑別が可能であった.また,調理および調理後の人工胃液消化処理による解析への影響も検討したところ,調理による解析への影響は見られなかったが,胃液消化によるDNAの酸分解は解析を困難にする可能性が示唆された.
Bibliography:ZZ00009680
834064
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.53.237