エアロビック運動による脂肪酸代謝の促進に対するエリスリトール摂取の影響

90分間のエアロビック運動による血漿グルコース, 血中乳酸, および血清インスリン, 遊離脂肪酸 (FFA), およびケトン体濃度の変動に対する, 運動中の4%エリスリトール飲料 (試験飲料1) 摂取の影響を, 運動中の4%グルコース飲料 (試験飲料2) 摂取と対比して検討した。同様に, 2%エリスリトール/2%フルクトース飲料 (試験飲料3) の影響についても, 2%エリスリトール/1.1%フルクトース/0.8%グルコース飲料 (試験飲料4) と対比して検討した。試験飲料2の摂取により, 血漿グルコースと血清インスリン濃度は上昇する傾向にあったが, 試験飲料1ではそのような上昇はなかった。血...

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Published inNihon Eiyō, Shokuryō Gakkai shi Vol. 55; no. 1; pp. 27 - 32
Main Authors 下村, 吉治, 長崎, 大, 尾林, 麻理子, 徐, 明, 下村, 典子, 浜田, 晃, 高橋, 親法
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本栄養・食糧学会 2002
日本栄養・食糧学会
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Summary:90分間のエアロビック運動による血漿グルコース, 血中乳酸, および血清インスリン, 遊離脂肪酸 (FFA), およびケトン体濃度の変動に対する, 運動中の4%エリスリトール飲料 (試験飲料1) 摂取の影響を, 運動中の4%グルコース飲料 (試験飲料2) 摂取と対比して検討した。同様に, 2%エリスリトール/2%フルクトース飲料 (試験飲料3) の影響についても, 2%エリスリトール/1.1%フルクトース/0.8%グルコース飲料 (試験飲料4) と対比して検討した。試験飲料2の摂取により, 血漿グルコースと血清インスリン濃度は上昇する傾向にあったが, 試験飲料1ではそのような上昇はなかった。血清FFAとケトン体濃度は, 運動中徐々に上昇したが, それらの上昇度は試験飲料1において高く, 運動終了直後と30分後において両飲料間に有意な差を示した。血中乳酸濃度は運動により上昇することはなく, 両飲料間にも差を示さなかった。運動中の試験飲料3もしくは試験飲料4の摂取は, 血漿グルコースと血清インスリン濃度にほとんど影響しなかった。一方, 運動中の血清FFAとケトン体濃度は, 試験飲料1と2の実験でみられたのと同様に, グルコースを含まない試験飲料3の摂取において顕著に上昇し, 運動後の両飲料間で有意差を示した。これらの結果より, エアロビック運動による脂肪酸代謝の上昇は, 運動中に0.8-4%のグルコース溶液を摂取することにより阻害されるが, 4%エリスリトールもしくは2%エリスリトール/2%フルクトース溶液を摂取してもそのような阻害作用はないことが示唆された。
Bibliography:641837
ZZ00014795
ISSN:0287-3516
1883-2849
DOI:10.4327/jsnfs.55.27