栄養素の補足条件下における運動負荷が若年女子の骨密度に及ぼす効果

• Published in: Nihon Eiyō, Shokuryō Gakkai shi Vol. 56; no. 1; pp. 3 - 15
• Main Authors: 小池, 五郎, 山下, 静江, 伊佐, 裕子, 武藤, 志真子
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 公益社団法人 日本栄養・食糧学会 2003; 日本栄養・食糧学会
• Subjects: 介入研究; 栄養素補足; 若年日本人女性; 運動; 骨密度
• ISSN: 0287-3516; 1883-2849
• DOI: 10.4327/jsnfs.56.3

栄養素補足条件下における骨密度に及ぼす運動の効果を明らかにするため, 健康な日本人女子生徒27名を対象に9カ月間にわたる介入研究を実施した。対象者全員が牛乳200mLに加え, カルシウム600mgとマグネシウム300mgを含む強化剤を前後期2回72日間ずつの介入期間中, 日曜祭日を除いて毎日飲用した。運動は, 希望により筋力トレーニング群, 歩行群と運動群の3群に分けた。骨密度は, 超音波測定法による踵骨の Stiffness Index を用いた。筋力トレーニング群は前期の介入で有意な骨密度上昇(1.8%) を示した。一方, 歩行群は後期介入期に至り有意な骨密度の上昇を示した。運動群と, 同専門学校女子生徒から無作為抽出した対照群は有意な骨密度の上昇を示さなかった。研究期間中の平均栄養摂取量につき「充足率適」である栄養素の数により栄養バランスを3段階評価し, ベースラインのBMIと骨密度を共変量とした2要因共分散分析を行った。骨密度上昇への寄与は運動より栄養バランスが若干大であったが, 運動とバランスのとれた栄養の組み合わせは, いずれか一方よりも短期間の骨密度上昇に効果的であり, 9カ月で4.3%以上の骨密度上昇をもたらすと推定された。