雄性不稔スギ爽春の原因遺伝子候補の特徴と花粉形成期に認められた糖代謝異常
最近,爽春の連鎖地図に基づいて雄性不稔を引き起こす原因遺伝子が座乗する候補領域が推定された。候補領域に座乗し,原因遺伝子と強く連鎖することが示唆されたreCj19250と同一領域には,糖代謝に関連すると推測されたreCj11611も座乗しているもののこれまで詳細な解析は行われていなかった。そこで本研究では,reCj11611の花粉形成時期における遺伝子発現解析,雄花中の糖または澱粉含有量の測定および爽春特異的な変異の検出を行った。その結果,花粉形成期における糖および澱粉含有量の測定結果から爽春は糖代謝に何らかの異常があることが示唆された。しかし,遺伝子発現解析からはreCj11611が爽春の糖...
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Published in | Nihon Shinrin Gakkaishi Vol. 102; no. 3; pp. 191 - 197 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本森林学会
01.06.2020
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Subjects | |
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Summary: | 最近,爽春の連鎖地図に基づいて雄性不稔を引き起こす原因遺伝子が座乗する候補領域が推定された。候補領域に座乗し,原因遺伝子と強く連鎖することが示唆されたreCj19250と同一領域には,糖代謝に関連すると推測されたreCj11611も座乗しているもののこれまで詳細な解析は行われていなかった。そこで本研究では,reCj11611の花粉形成時期における遺伝子発現解析,雄花中の糖または澱粉含有量の測定および爽春特異的な変異の検出を行った。その結果,花粉形成期における糖および澱粉含有量の測定結果から爽春は糖代謝に何らかの異常があることが示唆された。しかし,遺伝子発現解析からはreCj11611が爽春の糖代謝異常と関係する明確な証拠は得られなかった。reCj11611には,3′非翻訳領域に爽春特異的な20 bpの欠失が存在しており,この欠失を特定するDNAマーカーを利用して約760スギクローンに適用した結果,6クローンでヘテロ接合体を示した。このうち5クローンは,reCj19250から得られた結果とは一致しなかった。同一領域に座乗していた両遺伝子は近傍の異なる位置に座乗することが明らかとなった。 |
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Bibliography: | 935587 ZZ20018854 |
ISSN: | 1349-8509 1882-398X |
DOI: | 10.4005/jjfs.102.191 |