植物工場における異なる赤青光比および光強度下で育成した赤系リーフレタスの株生産に必要な照明電力量の推定

播種後14日目に,栽植密度は12.9株m-2とした上で,赤青LEDを用いて,150,250 μmol m-2 s-1としたPPFDと0.18, 0.23としたB/R比を組み合わせた4区を設けて,赤系リーフレタスを収穫サイズまで育成し,収穫までに要する照明電力量を算定した.栽植密度12.9株 m-2では,PPFD 150 μmol m-2 s-1ではB/R比0.23区で0.18区よりも収穫までに要する照明電力量は少なかった.PPFD 250 μmol m-2 s-1ではB/R比による差はみられなかった.しかし,栽植密度を最適化した条件では,PPFD にかかわらずB/R比0.18区でB/R比0.2...

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Published inShokubutsu kankyō kōgaku Vol. 29; no. 2; pp. 60 - 67
Main Authors 古山, 真一, 石神, 靖弘, 彦坂, 晶子, 後藤, 英司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Fukuoka 日本生物環境工学会 01.06.2017
Japan Science and Technology Agency
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Summary:播種後14日目に,栽植密度は12.9株m-2とした上で,赤青LEDを用いて,150,250 μmol m-2 s-1としたPPFDと0.18, 0.23としたB/R比を組み合わせた4区を設けて,赤系リーフレタスを収穫サイズまで育成し,収穫までに要する照明電力量を算定した.栽植密度12.9株 m-2では,PPFD 150 μmol m-2 s-1ではB/R比0.23区で0.18区よりも収穫までに要する照明電力量は少なかった.PPFD 250 μmol m-2 s-1ではB/R比による差はみられなかった.しかし,栽植密度を最適化した条件では,PPFD にかかわらずB/R比0.18区でB/R比0.23区よりも収穫までに要する照明電力量は少なかった.また,栽植密度12.9株m-2では,PPFD 150 μmol m-2 s-1の方が250 μmol m-2 s-1よりも収穫までに要する照明電力量は少なかったが,栽植密度を最適化した条件では,PPFD 250 μmol m-2 s-1の方が照明電力量は少なくなる傾向がみられた.本試験の範囲において,照明電力量を抑えてレタスを育成するのであれば,照明ロスがないように植物体を配置した上で,PPFDを250 μmol m-2 s-1,B/R比を0.18として育成するのがよいことが示された.本試験では,相互遮蔽の起こらない栽培条件で得られた測定値を用いて,栽植密度を最適化した場合の照明電力量を推定する手法を提示した.本解析方法は,実際の栽培現場で,試験回数を最小限に抑えて,効率的に最適な光環境条件を探索し,消費電力量を予測することができるため,実用的にも有用と考えられた.
Bibliography:911955
ZZ20020518
ISSN:1880-2028
1880-3563
DOI:10.2525/shita.29.60