東北地域におけるイネWCS用水稲品種の乾物特性および飼料成分

東北地域における稲発酵粗飼料(イネWCS)用水稲品種における収穫期,品種による乾物特性や飼料成分の差異を把握することを目的とした.全乾物重は,生育期間と密接な関係にあり,収穫期が遅いほど多く,早生品種より晩生品種が多かった.水分含量は,早生品種と晩生品種のいずれにおいても,出穂後日数に伴い同程度に減少した.飼料成分に関しては,出穂20~40日後の間に非繊維性炭水化物(NFC)が多い穂の重量が増加し,これに伴い近赤外分析で推定した 可消化養分総量(TDN)も増加した.しかし,登熟に伴い,消化しにくい籾の割合も増加するため,家畜に給与した場合の実際のTDNが登熟に伴い増加するとは限らないと推察され...

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Published inJapanese journal of crop science Vol. 86; no. 1; pp. 1 - 6
Main Authors 福嶌, 陽, 太田, 久稔, 横上, 晴郁, 津田, 直人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Tokyo 日本作物学会 01.01.2017
Japan Science and Technology Agency
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Summary:東北地域における稲発酵粗飼料(イネWCS)用水稲品種における収穫期,品種による乾物特性や飼料成分の差異を把握することを目的とした.全乾物重は,生育期間と密接な関係にあり,収穫期が遅いほど多く,早生品種より晩生品種が多かった.水分含量は,早生品種と晩生品種のいずれにおいても,出穂後日数に伴い同程度に減少した.飼料成分に関しては,出穂20~40日後の間に非繊維性炭水化物(NFC)が多い穂の重量が増加し,これに伴い近赤外分析で推定した 可消化養分総量(TDN)も増加した.しかし,登熟に伴い,消化しにくい籾の割合も増加するため,家畜に給与した場合の実際のTDNが登熟に伴い増加するとは限らないと推察された.食用品種の収穫前に収穫できる早生品種の中では,「べこげんき」が,黄熟期の全乾物重がやや多く,穂重割合がやや低く,茎葉のNFCがやや高いことから有望であった.食用品種の収穫後に収穫できる晩生品種の中では,「たちあやか」が,全乾物重が多く,穂重割合が極めて低く,茎葉のNFCや糖含量が高いことから有望であった.
Bibliography:910290
ZZ00014890
ISSN:0011-1848
1349-0990
DOI:10.1626/jcs.86.1