殺ダニ剤ピフルブミドの開発
「はじめに」ピフルブミド(pyflubumide)は日本農薬(株)が開発した新規殺ダニ剤であり, カルボキサニリド骨格と, 従来の農薬に見られなかった特異な官能基であるメトキシヘキサフルオロイソプロピル基を化学構造的特徴とする化合物である. 本剤はカルボキサニリド骨格を有する唯一のハダニ剤であり, ミトコンドリア複合体IIの新規な阻害剤としてIRAC作用機構分類においてグループ25B(カルボキサニリド系)に単独で位置づけられている. 一方, ピフルブミドは有用昆虫・天敵に影響が少ないという優れた選択性から, IPM(総合的害虫管理)に適した防除資材と言える. ハダニ類の抵抗性発達は年々深刻化し...
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Published in | Nihon Nōyaku Gakkai shi (2013) Vol. 42; no. 2; pp. 308 - 313 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本農薬学会
20.08.2017
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Subjects | |
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ISSN | 2187-0365 2187-8692 |
DOI | 10.1584/jpestics.W17-60 |
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Summary: | 「はじめに」ピフルブミド(pyflubumide)は日本農薬(株)が開発した新規殺ダニ剤であり, カルボキサニリド骨格と, 従来の農薬に見られなかった特異な官能基であるメトキシヘキサフルオロイソプロピル基を化学構造的特徴とする化合物である. 本剤はカルボキサニリド骨格を有する唯一のハダニ剤であり, ミトコンドリア複合体IIの新規な阻害剤としてIRAC作用機構分類においてグループ25B(カルボキサニリド系)に単独で位置づけられている. 一方, ピフルブミドは有用昆虫・天敵に影響が少ないという優れた選択性から, IPM(総合的害虫管理)に適した防除資材と言える. ハダニ類の抵抗性発達は年々深刻化していることから, 既存剤抵抗性個体群に対しても高い効果を示すIPM適合型基幹防除剤として, ピフルブミドの今後のさらなる活用が期待される. |
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Bibliography: | 912422 ZZ20502360 |
ISSN: | 2187-0365 2187-8692 |
DOI: | 10.1584/jpestics.W17-60 |