デュアルカラム方式ECD付きGC/MSによる農作物中の未知ピーク物質の同定及び定量

2つの注入口に同種カラムを装着し,それぞれをECD及び質量分析計につなげた,ECD付きGC/MSシステムを確立した.各カラムの保持時間が同一になるようにカラム流量の調整を行い,相互データの関連性を持たせた.このシステムを用いて,有機塩素系及びピレスロイド系農薬分析において,野菜7検体中の未知ピーク物質の同定を行った.その結果,ブロモプロピレートなどの5種の農薬が同定された.ブロモプロピレートについて添加回収試験を行ったところ,回収率,CVともに良好な結果が得られた.更に,両検出器でブロモプロピレートの定量を行った結果,MSとECDでほぼ同様の数値が得られた.本システムでは,従来困難であった未知...

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Published inShokuhin eiseigaku zasshi Vol. 43; no. 3; pp. 127 - 132
Main Authors 日高, 利夫, 田中, 康夫, 高橋, 京子, 臼井, 進, 細井, 志郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本食品衛生学会 2002
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ISSN0015-6426
1882-1006
DOI10.3358/shokueishi.43.127

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Summary:2つの注入口に同種カラムを装着し,それぞれをECD及び質量分析計につなげた,ECD付きGC/MSシステムを確立した.各カラムの保持時間が同一になるようにカラム流量の調整を行い,相互データの関連性を持たせた.このシステムを用いて,有機塩素系及びピレスロイド系農薬分析において,野菜7検体中の未知ピーク物質の同定を行った.その結果,ブロモプロピレートなどの5種の農薬が同定された.ブロモプロピレートについて添加回収試験を行ったところ,回収率,CVともに良好な結果が得られた.更に,両検出器でブロモプロピレートの定量を行った結果,MSとECDでほぼ同様の数値が得られた.本システムでは,従来困難であった未知ピーク物質の同定が容易になり,食品衛生上有用なデータを取ることができると考えられた.
Bibliography:651330
ZZ00009680
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.43.127