市販牛肉中モキシデクチンのLC/MSによる分析および脂肪,筋肉組織での残留性

蛍光誘導体化を行わず,迅速で高感度な牛肉中モキシデクチンのLC/MSによる分析法について検討した.分析条件としては,イオン化モードをAPCIポジティブで行い,フラグメンター電圧を100 Vとしたとき良好な測定ができた.回収率は脂肪および筋肉組織で,それぞれ 93.3%, 96.5% であった.市販牛肉中のモキシデクチンの確認については3つのモニターイオンを用いて,保持時間とイオン強度比によって同定を行った.また,m/z 622を用いて定量を行った結果,脂肪組織では35 ng/g, 筋肉組織では4.3 ng/gの値であった.脂肪含量を測定し,脂肪および筋肉組織のモキシデクチン濃度を脂肪ベースに換...

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Published inShokuhin eiseigaku zasshi Vol. 44; no. 4; pp. 198 - 202
Main Authors 長岡, 登, 佐藤, 昭男, 日高, 利夫, 佐藤, 直之, 石井, 敬子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本食品衛生学会 2003
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ISSN0015-6426
1882-1006
DOI10.3358/shokueishi.44.198

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Summary:蛍光誘導体化を行わず,迅速で高感度な牛肉中モキシデクチンのLC/MSによる分析法について検討した.分析条件としては,イオン化モードをAPCIポジティブで行い,フラグメンター電圧を100 Vとしたとき良好な測定ができた.回収率は脂肪および筋肉組織で,それぞれ 93.3%, 96.5% であった.市販牛肉中のモキシデクチンの確認については3つのモニターイオンを用いて,保持時間とイオン強度比によって同定を行った.また,m/z 622を用いて定量を行った結果,脂肪組織では35 ng/g, 筋肉組織では4.3 ng/gの値であった.脂肪含量を測定し,脂肪および筋肉組織のモキシデクチン濃度を脂肪ベースに換算したところ,両者ともに一致した値が得られた.このことから,脂肪および筋肉組織でのモキシデクチンの残留は脂肪含量と相関関係にあることが認められた.
Bibliography:ZZ00009680
680188
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.44.198