スダチの貯蔵における温度, 包装, 予措の効果

スダチの長期貯蔵には温度が最も重要で, この実験の範囲では1~2°Cがよかった. そして, 厚さ0.02~0.03mm程度のポリエチレン袋に包装して貯蔵すると, 蒸散防止および緑色の保持に効果が大きかった. また, 貯蔵前の予措は障害および腐敗の防止に大きな効果があった. 温度, フィルム包装, 予措を組み合わせると4~6か月間緑色に貯蔵することが可能であると思われる. このように, スダチを緑色に保つにはポリエチレン袋などで密封し, 袋内の二酸化炭素濃度をある程度高く保つことが必要であるが, 袋内のガス濃度が高過ぎると果皮に障害を発生し, 腐敗の原因になる. 実際の貯蔵では緑色の保持と障害の...

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Published inEngei Gakkai zasshi Vol. 51; no. 3; pp. 350 - 354
Main Authors 樽谷, 隆之, 川田, 和秀, 北川, 博敏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 園芸学会 1982
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ISSN0013-7626
1880-358X
DOI10.2503/jjshs.51.350

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Summary:スダチの長期貯蔵には温度が最も重要で, この実験の範囲では1~2°Cがよかった. そして, 厚さ0.02~0.03mm程度のポリエチレン袋に包装して貯蔵すると, 蒸散防止および緑色の保持に効果が大きかった. また, 貯蔵前の予措は障害および腐敗の防止に大きな効果があった. 温度, フィルム包装, 予措を組み合わせると4~6か月間緑色に貯蔵することが可能であると思われる. このように, スダチを緑色に保つにはポリエチレン袋などで密封し, 袋内の二酸化炭素濃度をある程度高く保つことが必要であるが, 袋内のガス濃度が高過ぎると果皮に障害を発生し, 腐敗の原因になる. 実際の貯蔵では緑色の保持と障害の発生のバランスをとることがもっとも難しいところである.
Bibliography:260793
ZZ00015006
ISSN:0013-7626
1880-358X
DOI:10.2503/jjshs.51.350