新沢・小出「耕地の区画整理」を基点とする圃場整備の新たな技術枠組みの構築に関する考察

わが国農業は大きな転換点にあり,農業技術の変化のほか,第二次世界大戦後に農地改革で創出された自作農体制の持続の困難化等に対応して,圃場整備方式にもこれに対応できる新たな技術観が求められている.圃場整備方式は歴史的概念であり,時代変化に対する農家による耕地条件の適応過程である.本論では,これに立ち向かう基点として戦後の混迷期に新たな技術観を提示した新沢嘉芽統・小出 進の「耕地の区画整理」をとりあげ,今後の圃場整備技術の課題整理を目的として以下の構成で論じる.①「耕地の区画整理」で提示された技術及び手法・方法論の特徴を明らかにし,②そこにおける技術観の意義・課題について論じるとともに,③圃場整備の...

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Published inNōgyō Nōson Kōgakkai ronbunshū Vol. 88; no. 2; pp. I_253 - I_259
Main Author 有田, 博之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 農業農村工学会 2020
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Summary:わが国農業は大きな転換点にあり,農業技術の変化のほか,第二次世界大戦後に農地改革で創出された自作農体制の持続の困難化等に対応して,圃場整備方式にもこれに対応できる新たな技術観が求められている.圃場整備方式は歴史的概念であり,時代変化に対する農家による耕地条件の適応過程である.本論では,これに立ち向かう基点として戦後の混迷期に新たな技術観を提示した新沢嘉芽統・小出 進の「耕地の区画整理」をとりあげ,今後の圃場整備技術の課題整理を目的として以下の構成で論じる.①「耕地の区画整理」で提示された技術及び手法・方法論の特徴を明らかにし,②そこにおける技術観の意義・課題について論じるとともに,③圃場整備の新たな技術枠組みについて考察する.
Bibliography:940129
ZZ20032779
ISSN:1882-2789
1884-7242
DOI:10.11408/jsidre.88.I_253