アメンボ類の生息環境保全を目的とした淡水湿地の環境整備指針
近畿地方の70か所の淡水湿地で中型アメンボ類5種を対象に, 生息種構成と, 湿地周辺の土地利用, 水面上の樹冠被率, 草本植生の生育型と植被率, ならびに汀線構造との関係を調査した。また室内実験で, 産卵基質選好性および産卵場所の水面に対する位置関係を調査した。その結果, コセアカアメンボとヤスマツアメンボの生息は, 湿地周辺の樹林地率, 水面上の樹冠被率や汀線部周辺の土砂域の面積と, ナミアメンボ, ヒメアメンボおよびハネナシアメンボの生息は, 水面上の樹冠比率や草本植生の生育型とそれぞれ密接な関係があった。以上の結果から淡水湿地におけるアメンボ類の生息環境保全において配慮すべき要件を造園的...
Saved in:
Published in | Randosukēpu kenkyū Vol. 65; no. 5; pp. 527 - 532 |
---|---|
Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本造園学会
30.03.2002
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 1340-8984 1348-4559 |
DOI | 10.5632/jila.65.527 |
Cover
Summary: | 近畿地方の70か所の淡水湿地で中型アメンボ類5種を対象に, 生息種構成と, 湿地周辺の土地利用, 水面上の樹冠被率, 草本植生の生育型と植被率, ならびに汀線構造との関係を調査した。また室内実験で, 産卵基質選好性および産卵場所の水面に対する位置関係を調査した。その結果, コセアカアメンボとヤスマツアメンボの生息は, 湿地周辺の樹林地率, 水面上の樹冠被率や汀線部周辺の土砂域の面積と, ナミアメンボ, ヒメアメンボおよびハネナシアメンボの生息は, 水面上の樹冠比率や草本植生の生育型とそれぞれ密接な関係があった。以上の結果から淡水湿地におけるアメンボ類の生息環境保全において配慮すべき要件を造園的な見地から議論した。 |
---|---|
Bibliography: | ZZ00011687 650508 |
ISSN: | 1340-8984 1348-4559 |
DOI: | 10.5632/jila.65.527 |