一面せん断試験による無機系材料間のせん断付着強度の評価手法

一面せん断試験での無機系材料間の付着界面の剥離の発生要件を明らかにし,一面せん断試験によるせん断付着強度の評価手法を明確化するため,同一条件の付着界面(付着界面の耐えうるせん断応力の限界値が同一)を有し,断面形状のみが異なる供試体を用いた一面せん断試験を実施した.その結果,付着界面が剥離した際に発生していた最大せん断応力は供試体断面形状によって大きく異なり,その相違は約1.7倍にも達した.一方,付着界面が剥離した際に発生していた平均せん断応力は,供試体の断面形状によらずほぼ同一の値になった.この結果は,平均せん断応力がある限界値へ到達することによって付着界面の剥離が生じることを示す.したがって...

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Published inNōgyō Nōson Kōgakkai ronbunshū Vol. 89; no. 1; pp. I_103 - I_109
Main Authors 上野, 和広, 森山, 翼, 石井, 将幸, 長束, 勇
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 農業農村工学会 2021
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Summary:一面せん断試験での無機系材料間の付着界面の剥離の発生要件を明らかにし,一面せん断試験によるせん断付着強度の評価手法を明確化するため,同一条件の付着界面(付着界面の耐えうるせん断応力の限界値が同一)を有し,断面形状のみが異なる供試体を用いた一面せん断試験を実施した.その結果,付着界面が剥離した際に発生していた最大せん断応力は供試体断面形状によって大きく異なり,その相違は約1.7倍にも達した.一方,付着界面が剥離した際に発生していた平均せん断応力は,供試体の断面形状によらずほぼ同一の値になった.この結果は,平均せん断応力がある限界値へ到達することによって付着界面の剥離が生じることを示す.したがって,一面せん断試験によるせん断付着強度の評価では,付着界面に発生する平均せん断応力の限界値をせん断付着強度として採用すべきである.
Bibliography:946619
ZZ20032779
ISSN:1882-2789
1884-7242
DOI:10.11408/jsidre.89.I_103