水耕栽培を併用したゼロエミッション型水産養殖モデルに関する実験的研究

養殖の自家汚染を防止し,生産性の向上と環境破壊の防止を目的として,水耕栽培を併用したゼロエミッション型水産養殖モデルの実験的研究を行った。このモデルは飼料→魚類(収穫)養殖→損失飼料・排泄物→微生物→ 無機塩類→ 水耕栽培(収穫)の生態系経路で,実験設備は魚類飼育池,生物酸化槽及び水耕栽培池より構成された。微細藻類による水耕栽培への阻害を防止するため,循環水に紫外線を照射して藻類増殖を阻止した。魚のモデルとしてヒブナを,植物のモデルとしてウォーターレタスを栽培した。投餌負荷は栽培植物の摂取により相殺され,魚飼育池の水質は良好に維持された。このモデル実験系における物質収支を明らかにし,ウォーター...

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Published in環境科学会誌 Vol. 14; no. 2; pp. 153 - 158
Main Authors 村上, 定瞭, 深川, 勝之, 竹内, 正美, 西村, 基弘, 森岡, 弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 環境科学会 2001
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Summary:養殖の自家汚染を防止し,生産性の向上と環境破壊の防止を目的として,水耕栽培を併用したゼロエミッション型水産養殖モデルの実験的研究を行った。このモデルは飼料→魚類(収穫)養殖→損失飼料・排泄物→微生物→ 無機塩類→ 水耕栽培(収穫)の生態系経路で,実験設備は魚類飼育池,生物酸化槽及び水耕栽培池より構成された。微細藻類による水耕栽培への阻害を防止するため,循環水に紫外線を照射して藻類増殖を阻止した。魚のモデルとしてヒブナを,植物のモデルとしてウォーターレタスを栽培した。投餌負荷は栽培植物の摂取により相殺され,魚飼育池の水質は良好に維持された。このモデル実験系における物質収支を明らかにし,ウォーターレタスの浄化機能を定量的に把握できた。4月におけるウォーターレタスの浄化能力は年換算で147kg-wetbiomass/m2/year,531g-N/m2/year,lllg-P/m2/yearであった。
ISSN:0915-0048
1884-5029
DOI:10.11353/sesj1988.14.153