熱帯における緩効性窒素肥料(Meister)の水稲の生育, 窒素吸収量および収量におよぼす影響
1986年雨期作より1987年雨期作の間に緩効性窒素肥料(Meister 10, MS10)の水稲の生育,窒素吸収および収量に及ほす影響をみるために, IRRIにて,早,中生二品種を用い,硫安(AS)を対照として圃場試験をおこなった. 乾・雨期に関係なく,水稲の窒素吸収は前報と同様に生育初期は指数式 (y=abx),生育中後期は直線式(y=a+bx)で示された. MS10は指数式の見られる期間を長くし,直線部分での'b'値を高めた. 窒素吸収量は生育初期ではAS区の方が多く,密植区と疎植区の窒素吸収量の差はMS10区が多かった. 出穂期および成熟期の植物体内窒素量はMS10...
Saved in:
Published in | Japanese journal of crop science Vol. 60; no. 1; pp. 101 - 106 |
---|---|
Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
日本作物学会
1991
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0011-1848 1349-0990 |
DOI | 10.1626/jcs.60.101 |
Cover
Summary: | 1986年雨期作より1987年雨期作の間に緩効性窒素肥料(Meister 10, MS10)の水稲の生育,窒素吸収および収量に及ほす影響をみるために, IRRIにて,早,中生二品種を用い,硫安(AS)を対照として圃場試験をおこなった. 乾・雨期に関係なく,水稲の窒素吸収は前報と同様に生育初期は指数式 (y=abx),生育中後期は直線式(y=a+bx)で示された. MS10は指数式の見られる期間を長くし,直線部分での'b'値を高めた. 窒素吸収量は生育初期ではAS区の方が多く,密植区と疎植区の窒素吸収量の差はMS10区が多かった. 出穂期および成熟期の植物体内窒素量はMS10区が多く, MS10区の窒素吸収量は倍量施肥のAS区に匹敵した. これは基肥窒素の回収率の高いことによる. 分げつの推移および最高分げつ期は栽植密度,および肥料の種類で変化し,窒素吸収経過を反映した. 収量, Sink sizeおよびPotential sink sizeは植物体内の窒素量と密接な関係を示した. これらは, MSl0区でAS区に比して高く,倍量施肥のAS区の収量に近かった. |
---|---|
Bibliography: | 480606 ZZ00014890 |
ISSN: | 0011-1848 1349-0990 |
DOI: | 10.1626/jcs.60.101 |