高分解能衛星画像のNDVI値を用いた湿原地表面の状態変化検出法

本研究では,高分解能衛星画像(IKONOS)を用い,2時期のNDVIに着目して湿原地表面の状態変化を植生指数変化座標として整理し,6つのパターンに分類した.これを用いた湿原地表面の状態変化の検出を宮崎県の小規模湿原(川南湿原植物群落)にて実施し,実際の湿原の概況や地下水位との対応関係を検討したところ,地表面における人為的な改変を的確に抽出でき,さらに,画像の取得日直前に記録された大きな降雨イベントの影響で湿潤となっていた地表面について,異なる2時期に観測された画像間の湿潤の度合いの差異を検出することができた.なお,衛星画像の解析に際して,観測日前の降雨データなどの地表面状態の履歴を示す補足的な...

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Published inNōgyō Nōson Kōgakkai ronbunshū Vol. 78; no. 3; pp. 167 - 174
Main Authors 竹下, 伸一, 鈴木, 研二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 農業農村工学会 2010
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Summary:本研究では,高分解能衛星画像(IKONOS)を用い,2時期のNDVIに着目して湿原地表面の状態変化を植生指数変化座標として整理し,6つのパターンに分類した.これを用いた湿原地表面の状態変化の検出を宮崎県の小規模湿原(川南湿原植物群落)にて実施し,実際の湿原の概況や地下水位との対応関係を検討したところ,地表面における人為的な改変を的確に抽出でき,さらに,画像の取得日直前に記録された大きな降雨イベントの影響で湿潤となっていた地表面について,異なる2時期に観測された画像間の湿潤の度合いの差異を検出することができた.なお,衛星画像の解析に際して,観測日前の降雨データなどの地表面状態の履歴を示す補足的なデータの活用が重要であることがわかった.本提案手法は,平易でかつ実践的であるため,湿原管理に有効な手法である.
Bibliography:ZZ20032779
792340
ISSN:1882-2789
1884-7242
DOI:10.11408/jsidre.78.167