廃瓦を複合利用した機能性覆砂材の諸特性に関する研究

富栄養化の内部負荷対策である覆砂工法を実施する上で,覆砂材の確保が現在の課題として存在する.既往の研究では,解体コンクリート微粒分をセメントで造粒した機能性覆砂材は,天然砂以上にリン酸イオンの溶出抑制効果を期待できることが明らかとなった.本報では新たに廃瓦を機能性覆砂材とした際の有用性を検討した.廃瓦単体での諸特性を解体コンクリート微粒分と比較するとともに,廃瓦の造粒利用が覆砂材としての機能に与える影響を評価した.評価項目は,密度,pH,重金属類の溶出・吸着性能に加え,造粒物のリン酸イオンの除去性能と安全性である.各種実験の結果,廃瓦の複合利用により,pHの低下,廃瓦による重金属の吸着が確認で...

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Published inNōgyō Nōson Kōgakkai ronbunshū Vol. 80; no. 2; pp. 109 - 115
Main Authors 福岡, 孝紘, 兵頭, 正浩, 佐藤, 周之, 野中, 資博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 農業農村工学会 2012
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Summary:富栄養化の内部負荷対策である覆砂工法を実施する上で,覆砂材の確保が現在の課題として存在する.既往の研究では,解体コンクリート微粒分をセメントで造粒した機能性覆砂材は,天然砂以上にリン酸イオンの溶出抑制効果を期待できることが明らかとなった.本報では新たに廃瓦を機能性覆砂材とした際の有用性を検討した.廃瓦単体での諸特性を解体コンクリート微粒分と比較するとともに,廃瓦の造粒利用が覆砂材としての機能に与える影響を評価した.評価項目は,密度,pH,重金属類の溶出・吸着性能に加え,造粒物のリン酸イオンの除去性能と安全性である.各種実験の結果,廃瓦の複合利用により,pHの低下,廃瓦による重金属の吸着が確認できた.造粒物の検討結果からは,廃瓦を複合利用することで,従来のものよりリン酸イオン除去性能の低下が確認されたが,密度の調整が可能となることや重金属類の溶出量を低下させることを確認できた.
Bibliography:ZZ20032779
832064
ISSN:1882-2789
1884-7242
DOI:10.11408/jsidre.80.109