コウヨウザン人工林における表土移動量

コウヨウザン林分における表土移動特性および要因を明らかにするため,コウヨウザン林分に簡易土砂受け箱を設置して表土移動量を観測した。土砂受け箱の設置要因として傾斜条件(急・緩)を設定した。また,物質移動レート(g m-1 mm-1)を指標として他の樹種の林分を調べた既往の研究事例と比較検討した。傾斜条件を比較すると,急傾斜が緩傾斜より物質移動レートが高かった。しかし,急傾斜でも物質移動レートの絶対量は低く,その原因は急傾斜でも落葉落枝の被覆率が高いためと考えられた。既往研究による他樹種林分と比べると,コウヨウザン林分は表土保全の効果が高いとされるアカマツと広葉樹の混交林と同程度の物質移動レートと...

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Published inNihon Shinrin Gakkaishi Vol. 100; no. 5; pp. 178 - 181
Main Authors 渡辺, 靖崇, 鈴木, 保志, 涌嶋, 智, 坂田, 勉, 東, 敏生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本森林学会 01.10.2018
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Summary:コウヨウザン林分における表土移動特性および要因を明らかにするため,コウヨウザン林分に簡易土砂受け箱を設置して表土移動量を観測した。土砂受け箱の設置要因として傾斜条件(急・緩)を設定した。また,物質移動レート(g m-1 mm-1)を指標として他の樹種の林分を調べた既往の研究事例と比較検討した。傾斜条件を比較すると,急傾斜が緩傾斜より物質移動レートが高かった。しかし,急傾斜でも物質移動レートの絶対量は低く,その原因は急傾斜でも落葉落枝の被覆率が高いためと考えられた。既往研究による他樹種林分と比べると,コウヨウザン林分は表土保全の効果が高いとされるアカマツと広葉樹の混交林と同程度の物質移動レートとなった。
Bibliography:925529
ZZ20018854
ISSN:1349-8509
1882-398X
DOI:10.4005/jjfs.100.178