固相抽出-液体クロマトグラフ-質量分析計によるハロアセトアミド類の分析法の開発及び水道水中の存在実態

含窒素消毒副生成物のハロアセトアミド類を対象に,固相抽出-液体クロマトグラフ-質量分析計(LC/MS)による分析法の検討を行った。LC/MS条件については,移動相は5mmol/L酢酸アンモニウム水溶液:5mmol/L酢酸アンモニウムメタノール溶液(95:5,v/v)とし,アイソクラティック法で流速0.25mL/minで送液することで,ハロアセトアミド類を高感度,かつ,水道水中の夾雑成分による分析時の影響を軽減できることがわかった。固相抽出は,3種のC18固相カラム及び1種の活性炭固相カラムで検討した結果,C18では一旦保持されるが保持は弱く,固相カラムの溶出時まで保持されなかったが,活性炭では...

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Published in環境科学会誌 Vol. 28; no. 2; pp. 143 - 152
Main Authors 小林, 憲弘, 久保田, 領志, 五十嵐, 良明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 環境科学会 2015
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Summary:含窒素消毒副生成物のハロアセトアミド類を対象に,固相抽出-液体クロマトグラフ-質量分析計(LC/MS)による分析法の検討を行った。LC/MS条件については,移動相は5mmol/L酢酸アンモニウム水溶液:5mmol/L酢酸アンモニウムメタノール溶液(95:5,v/v)とし,アイソクラティック法で流速0.25mL/minで送液することで,ハロアセトアミド類を高感度,かつ,水道水中の夾雑成分による分析時の影響を軽減できることがわかった。固相抽出は,3種のC18固相カラム及び1種の活性炭固相カラムで検討した結果,C18では一旦保持されるが保持は弱く,固相カラムの溶出時まで保持されなかったが,活性炭では固相カラムへの保持や,固相カラムからの溶出ともに良好であった。確立した分析法について,精製水及び水道水を用いた添加回収試験を実施し,厚生労働省健康局水道課発出の妥当性評価ガイドラインに従い,分析法の妥当性を評価した。その結果,真度及び併行精度について目標を満たし,分析精度が良好であることが示された。本分析法を用いて国内の複数の浄水場の浄水及び給水栓水を冬季(2月)に採水して存在実態調査を行った結果,全て定量下限値未満であった。
ISSN:0915-0048
1884-5029
DOI:10.11353/sesj.28.143