イネ・アリューロン細胞におけるα-アミラーゼ合成誘導を指標とした活性型ジベレリン濃度の測定

穀類アリューロン細胞の活性化に伴う貯蔵デンプン分解の分子機構を理解するうえで, 発芽種子内に含まれる活性型ジベレリン (GA) の濃度を把握しておくことはきわめて重要である. そこで, アリューロン細胞におけるα-アミラーゼ合成誘導を指標に, イネの発芽種子に含まれる活性型GA濃度の簡易測定を試みた. さまざまな濃度のGAをアリューロン細胞に加えた場合に合成誘導されるα-アミラーゼの酵素活性を測定し, それらを指標に種子内の活性型GA濃度を推測した. また, 抗α-アミラーゼ抗体を用いた免疫ブロッティングにより, α-アミラーゼタンパク質の発現量をニトロセルロース膜上で検出し, それらを利用し...

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Published inJournal of Applied Glycoscience Vol. 52; no. 4; pp. 399 - 402
Main Authors 山口, 淳二, 川上, 修, 光永, 伸一郎, 三ツ井, 敏明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本応用糖質科学会 2005
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ISSN1344-7882
1880-7291
DOI10.5458/jag.52.399

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Summary:穀類アリューロン細胞の活性化に伴う貯蔵デンプン分解の分子機構を理解するうえで, 発芽種子内に含まれる活性型ジベレリン (GA) の濃度を把握しておくことはきわめて重要である. そこで, アリューロン細胞におけるα-アミラーゼ合成誘導を指標に, イネの発芽種子に含まれる活性型GA濃度の簡易測定を試みた. さまざまな濃度のGAをアリューロン細胞に加えた場合に合成誘導されるα-アミラーゼの酵素活性を測定し, それらを指標に種子内の活性型GA濃度を推測した. また, 抗α-アミラーゼ抗体を用いた免疫ブロッティングにより, α-アミラーゼタンパク質の発現量をニトロセルロース膜上で検出し, それらを利用したGA濃度の測定も行った. その結果, 発芽種子内における活性型GA濃度を, 0.1から1nMの範囲に特定することができた. また, GA濃度が1nM以上に上昇したか否かを判断するための指標となりうる42kDaのα-アミラーゼアイソフォームの存在を, 同時に見出すことができた. このアイソフォームは, イネのアリューロン細胞に存在する高濃度GAシグナリングを解析するために有効であると考えられる.
Bibliography:721567
ZZ20010553
ISSN:1344-7882
1880-7291
DOI:10.5458/jag.52.399