スイートソルガム茎体積の節間形質パターンによる解析

スイートソルガムの節間長,節間断面積,節間体積などの節間の諸形質を節間位順に並べて表現される節間形質パターンは,それ自身,茎の構造上重要な形質であり,また,茎収量や茎体積の成立過程の解析に重要な位置を占めると考えられる.東北地方で早晩性の異なるスイートソルガム品種を用いて茎体積と節間形質パターンとの関係について調査し,生育過程と関連させて解析した.その結果,節間断面積パターンは全ての品種で3ヵ年とも単一の型を示した.一方,節間長パターンではピークの数や位置が年次間で変動し,その変動には品種間差が存在したが,品種固有の型を示すものとは言えなかった.茎体積はいずれの品種においても2011年で最大と...

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Published inJapanese journal of crop science Vol. 83; no. 2; pp. 112 - 117
Main Authors 中村, 聡, 後藤, 雄佐, 藤井, 昭裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本作物学会 2014
Subjects
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ISSN0011-1848
1349-0990
DOI10.1626/jcs.83.112

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Summary:スイートソルガムの節間長,節間断面積,節間体積などの節間の諸形質を節間位順に並べて表現される節間形質パターンは,それ自身,茎の構造上重要な形質であり,また,茎収量や茎体積の成立過程の解析に重要な位置を占めると考えられる.東北地方で早晩性の異なるスイートソルガム品種を用いて茎体積と節間形質パターンとの関係について調査し,生育過程と関連させて解析した.その結果,節間断面積パターンは全ての品種で3ヵ年とも単一の型を示した.一方,節間長パターンではピークの数や位置が年次間で変動し,その変動には品種間差が存在したが,品種固有の型を示すものとは言えなかった.茎体積はいずれの品種においても2011年で最大となった.2011年の節間形質パターンでは,他の栽培年より下位節間が太く,短くなる傾向にあり,また,茎伸長開始期は,年次間でほぼ一致していた.これらのことにより,2011年は初期生育期間の気温が高く,葉の出葉間隔が短かったために,非伸長節間数が多くなり,相対的に基部節間の伸長が抑制されてより太い茎となったものと考えられた.このように,節間形質パターンを用いて,生育と節間体積の構築過程との関連性に関して解析できることが明らかとなった.
Bibliography:872229
ZZ00014890
ISSN:0011-1848
1349-0990
DOI:10.1626/jcs.83.112