水道水中の農薬類のLC/MS/MS 一斉分析法の開発

水質管理目標設定項目に設定されているものの標準検査法が定められていない農薬類のうち,76物質を対象にLC/MS/MSを用いた一斉分析法の分析条件を確立した。さらに,水道水を用いた添加回収試験を行い,これらの物質の検出感度や分析精度を「水道水質検査方法の妥当性評価ガイドライン」に基づいて評価した。その結果,39物質については各農薬の目標値の1/100以下の濃度まで定量でき,かつガイドラインの回収率および併行精度の目標を満たした。また,13物質については目標値の1/100の濃度まで定量できなかったが,1/10以下の濃度まで定量でき,ガイドラインの回収率および併行精度の目標を満たした。以上のことから...

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Published in環境科学会誌 Vol. 27; no. 1; pp. 3 - 19
Main Authors 久保田, 領志, 田原, 麻衣子, 杉本, 直樹, 五十嵐, 良明, 小林, 憲弘, 塚本, 多矩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 環境科学会 2014
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Summary:水質管理目標設定項目に設定されているものの標準検査法が定められていない農薬類のうち,76物質を対象にLC/MS/MSを用いた一斉分析法の分析条件を確立した。さらに,水道水を用いた添加回収試験を行い,これらの物質の検出感度や分析精度を「水道水質検査方法の妥当性評価ガイドライン」に基づいて評価した。その結果,39物質については各農薬の目標値の1/100以下の濃度まで定量でき,かつガイドラインの回収率および併行精度の目標を満たした。また,13物質については目標値の1/100の濃度まで定量できなかったが,1/10以下の濃度まで定量でき,ガイドラインの回収率および併行精度の目標を満たした。以上のことから,確立した一斉分析法は,上記の52物質を対象とした水道水質検査に適用できると考えられた。今後は,他の装置等を用いて室内・室間精度についても検証し,本分析法の有用性ついて更なる評価を行う予定である。
ISSN:0915-0048
1884-5029
DOI:10.11353/sesj.27.3