ニンポウキンカン‘勇紅’の倍数性周縁キメラの証明とその形態的特性

宮崎県串間市でニンポウキンカンの変異体として発見された登録品種‘勇紅’(登録番号第14416号)について,倍数性解析ならびに形態的特性について検討した.‘勇紅’の倍数性を調査した結果,18本と36本の染色体を有しており,二倍体と四倍体の倍数性細胞キメラであることが確認された.また,フローサイトメーターによる解析と形態的特性から,‘勇紅’は組織起源層の第I層が二倍体,第II層と第III層が四倍体である倍数性周縁キメラであることが推察された.‘勇紅’は二倍体と比較して丸く,厚い葉をもち,花および花粉は四倍体と同程度に大きく,果実は四倍体より大きかった.さらに,それらの果実特性に加え,‘勇紅’は種子...

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Published inEngeigaku kenkyuu Vol. 7; no. 2; pp. 165 - 171
Main Authors 安田, 喜一, 國武, 久登, 中川, 匠子, 黒木, 宏憲, 八幡, 昌紀, 平田, 力也, 吉倉, 幸博, 川上, 郁夫, 杉本, 安寛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 園芸学会 2008
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Summary:宮崎県串間市でニンポウキンカンの変異体として発見された登録品種‘勇紅’(登録番号第14416号)について,倍数性解析ならびに形態的特性について検討した.‘勇紅’の倍数性を調査した結果,18本と36本の染色体を有しており,二倍体と四倍体の倍数性細胞キメラであることが確認された.また,フローサイトメーターによる解析と形態的特性から,‘勇紅’は組織起源層の第I層が二倍体,第II層と第III層が四倍体である倍数性周縁キメラであることが推察された.‘勇紅’は二倍体と比較して丸く,厚い葉をもち,花および花粉は四倍体と同程度に大きく,果実は四倍体より大きかった.さらに,それらの果実特性に加え,‘勇紅’は種子が少なく,厚皮であり,キンカンにとって望ましい形質を有していた.
Bibliography:ZZ20004168
752398
ISSN:1347-2658
1880-3571
DOI:10.2503/hrj.7.165