カイコ平衡致死系統における付着染色体の識別同定

カイコの分子遺伝地図のEST-cDNAクローン(以下,クローン)をプローブに用いて,サザンブロッティングハイブリダイゼーションによるRFLP解析を行い,プラチナボーイの素材となった新しい平衡致死系蚕品種BLのW染色体に付着しているとされる2つの染色体断片の識別同定ができるか否かを検討した。初めに,Z染色体断片が付着していることを調べるために,RFLG1(第1連関群対応)のクローンを用いて解析したところ,クローンm47を用いた場合にのみ,供試したすべての雌から2コピー分のバンドが検出された。このことから,BLのW染色体には,クローンm47を含むZ染色体断片が付着していることが明らかになった。次に...

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Published inSanshi, konchū baiotekku Vol. 83; no. 3; pp. 3_283 - 3_288
Main Authors 常山, 泉, 池嶋, 智美, 原, 和二郎, 蜷木, 理, 大沼, 昭夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本蚕糸学会 01.12.2014
日本蚕糸学会
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ISSN1881-0551
1884-7943
DOI10.11416/konchubiotec.83.3_283

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Summary:カイコの分子遺伝地図のEST-cDNAクローン(以下,クローン)をプローブに用いて,サザンブロッティングハイブリダイゼーションによるRFLP解析を行い,プラチナボーイの素材となった新しい平衡致死系蚕品種BLのW染色体に付着しているとされる2つの染色体断片の識別同定ができるか否かを検討した。初めに,Z染色体断片が付着していることを調べるために,RFLG1(第1連関群対応)のクローンを用いて解析したところ,クローンm47を用いた場合にのみ,供試したすべての雌から2コピー分のバンドが検出された。このことから,BLのW染色体には,クローンm47を含むZ染色体断片が付着していることが明らかになった。次に,もう1つの付着染色体である第2染色体断片を識別同定するために,RFLG19(第2連関群対応)のクローンを用いて解析した。その結果,いずれのクローンを用いても雌でのみ検出されるバンドは認められず,第2染色体付着断片を識別することはできなかった。以上の結果から,蚕品種BLではクローンm47を用いたRFLP解析によってZ染色体付着断片を識別同定できることが明らかになり,またこのクローンを利用して同品種の同定が可能であることが示唆された。
Bibliography:891008
ZZ20023854
ISSN:1881-0551
1884-7943
DOI:10.11416/konchubiotec.83.3_283