福岡県におけるアイノウイルス流行にともなう牛異常産の多発

1995年9月~1996年4月に福岡県で発生した牛異常産82例の異常産子牛47頭は, 脊柱弯曲, 四肢の関節拘縮, 水無脳症および小脳形成不全を主徴としていた. これらの異常産の母牛および子牛にアイノウイルス中和抗体が高率に検出され, 流死産胎子の脳脊髄液および初乳未摂取の異常子血清に高い中和抗体価が検出された. 1995年に県下5地域50農場の未越夏おとり牛100頭についてアイノウイルス中和抗体を調べたところ, 9月に1頭, 10月に25頭, 11月に3頭の陽転がみとあられた. これらのことから, 今回多発した牛異常産の46頭は, アイノウイルス感染と密接な関係があることが強く示唆され, 流...

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Published inNippon Juishikai zasshi Vol. 50; no. 12; pp. 709 - 712
Main Authors 内布, 幸典, 野田, 美治, 白川, ひとみ, 永末, 誠二, 長野, 正弘, 大江, 龍一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医師会 20.12.1997
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Summary:1995年9月~1996年4月に福岡県で発生した牛異常産82例の異常産子牛47頭は, 脊柱弯曲, 四肢の関節拘縮, 水無脳症および小脳形成不全を主徴としていた. これらの異常産の母牛および子牛にアイノウイルス中和抗体が高率に検出され, 流死産胎子の脳脊髄液および初乳未摂取の異常子血清に高い中和抗体価が検出された. 1995年に県下5地域50農場の未越夏おとり牛100頭についてアイノウイルス中和抗体を調べたところ, 9月に1頭, 10月に25頭, 11月に3頭の陽転がみとあられた. これらのことから, 今回多発した牛異常産の46頭は, アイノウイルス感染と密接な関係があることが強く示唆され, 流行時期は9月中旬から10月中旬で, 異常子牛の感染胎齢は120~150日齢と推察された.
Bibliography:570231
ZZ00014801
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma1951.50.709