非分泌型多発性骨髄腫の犬の1例

16歳齢, 避妊雌のシェトランド・シープドッグが跛行と食欲不振を主訴に来院した. 単純X線検査では骨融解性病変を, 腹部超音波検査では脾臓に複数の腫瘤を認めた. 血清および尿中にM蛋白は検出されなかった. 脾破裂回避のため脾摘を実施し, 術中に肝臓の腫瘤もみつかり肝臓の切除生検も行った.病理組織学的検査から脾臓と肝臓の形質細胞腫瘍と肝臓の肝細胞癌と診断された. さらに骨髄吸引検査と骨融解性病変の組織学的検査により非分泌型多発性骨髄腫と診断した. プレドニゾロンとアルキル化剤やビンクリスチン等の化学療法, ビスフォスフォネートの投与をおこなった. 高Ca血症や骨融解の改善を認め, 一般状態も良好...

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Published inNippon Juishikai zasshi Vol. 61; no. 12; pp. 952 - 956
Main Authors 松本, 佳奈子, 酒井, 聖花, 酒井, 秀夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医師会 20.12.2008
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ISSN0446-6454
2186-0211
DOI10.12935/jvma1951.61.952

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Summary:16歳齢, 避妊雌のシェトランド・シープドッグが跛行と食欲不振を主訴に来院した. 単純X線検査では骨融解性病変を, 腹部超音波検査では脾臓に複数の腫瘤を認めた. 血清および尿中にM蛋白は検出されなかった. 脾破裂回避のため脾摘を実施し, 術中に肝臓の腫瘤もみつかり肝臓の切除生検も行った.病理組織学的検査から脾臓と肝臓の形質細胞腫瘍と肝臓の肝細胞癌と診断された. さらに骨髄吸引検査と骨融解性病変の組織学的検査により非分泌型多発性骨髄腫と診断した. プレドニゾロンとアルキル化剤やビンクリスチン等の化学療法, ビスフォスフォネートの投与をおこなった. 高Ca血症や骨融解の改善を認め, 一般状態も良好に経過していたが, 第160病日に急変し第162病日に死亡した.
Bibliography:ZZ00014801
770188
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma1951.61.952