牛, 馬, 鶏における多剤耐性遺伝子の検出と犬乳腺腫瘍におけるP-糖タンパク質の免疫組織化学的検索

• Published in: Nippon Juishikai zasshi Vol. 55; no. 6; pp. 364 - 366
• Main Authors: 三好, 宣彰, 安田, 宣紘, 高山, 健二, 亀山, 和久, 藤木, 誠, 三角, 一浩, 大石, 明広, 坂本, 紘, 清水, 孜
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 公益社団法人 日本獣医師会 20.06.2002
• Subjects: P-糖タンパク質; 多剤耐性; 犬乳腺腫瘍
• ISSN: 0446-6454; 2186-0211
• DOI: 10.12935/jvma1951.55.364

ヒトの多剤耐性遺伝子の一つであるMDRIのcDNAを用いたサザンプロットハイブリダイゼイションを, 牛, 馬, 鶏の正常ゲノムDNAについて行い, ヒトMDR1と相同性がある関連遺伝子が存在していることを認めた.また, 犬乳腺腫瘍24例におけるMDR1の遺伝子産物であるP-糖タンパク質に対する免疫組織化学的検索では, ほとんどすべての腫瘍細胞にP-糖タンパク質が発現していた.したがって化学療法の感受性が低いとされる犬乳腺腫瘍においては, P-糖タンパク質が関与する多剤耐性機構がその原因の一つと考えられる.