腸炎患者, 犬, 猫および野鳥におけるカンピロバクターおよびヘリコバクターの保有状況ならびに分離法の検討

3種類の分離法 (CCDA培地, CAT培地フィルター法) を用いてカンピロバクターとヘリコバクターの検出を試みたところ, 腸炎患者では, Campylobacter jejuniが5.3%(16/303) から分離された.犬 (110頭) と猫 (40頭) では, C.jejuniは犬2頭 (1.8%) から分離されただけであったが, C.upsaliensisが高率 (犬51.8%, 猫25.0%) に分離された.また, 猫からはC.helveticusも3頭 (7.5%) から確認された.ドバト75羽からはC.jejuni (29.3%) が, 野生カモ20羽からはC.jejuni (1...

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Published inNippon Juishikai zasshi Vol. 57; no. 7; pp. 455 - 459
Main Authors 西尾, 智裕, 増田, 高志, 三輪, 憲永, 有田, 世乃, 川森, 文彦, 秋山, 眞人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医師会 20.07.2004
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ISSN0446-6454
2186-0211
DOI10.12935/jvma1951.57.455

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Summary:3種類の分離法 (CCDA培地, CAT培地フィルター法) を用いてカンピロバクターとヘリコバクターの検出を試みたところ, 腸炎患者では, Campylobacter jejuniが5.3%(16/303) から分離された.犬 (110頭) と猫 (40頭) では, C.jejuniは犬2頭 (1.8%) から分離されただけであったが, C.upsaliensisが高率 (犬51.8%, 猫25.0%) に分離された.また, 猫からはC.helveticusも3頭 (7.5%) から確認された.ドバト75羽からはC.jejuni (29.3%) が, 野生カモ20羽からはC.jejuni (15.0%) とC.coli (45.0%) が検出された.C.jejuniについては分離法による検出率の差は小さかったが, C.upsaliensisの分離効率はCAT培地とフィルター法が優れていた.ヘリコバクターは, すべてフィルター法のみで検出され, 犬 (2.7%) と猫 (17.5%) からの分離株はHelicobacter canisであることが確認されたが, 野生カモから分離された1株については種を確定することができなかった.
Bibliography:ZZ00014801
692769
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma1951.57.455