青森県におけるヌカカ属の種類と分布
昭和61年から62年の2年間にわたり, むつ管内を中心として青森県のヌカカ調査を実施してきたが, その結果, 本県で採集されたヌカカの種類は, 同定種16種, 未同定種4種が確認された. とくに, むつ管内では14~20種と県内でも種類の多い地域であった. 本県のヌカカ相は, ヨーロッパ, シベリアなどと共通する旧北区系の種類が多く認められたが, しかし, 同一県内にもかかわらずヌカカの種類や採集数は調査場所により異っていた. ヌカカの優占種を大きく地域的にわけると, 津軽・三八地方 (青森, 弘前, 木造, 八戸管内) はシナノヌカカ, ナミヌカカ, ミヤマヌカカに, 下北地方 (むつ管内)...
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Published in | Nippon Juishikai zasshi Vol. 42; no. 5; pp. 331 - 337 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本獣医師会
01.05.1989
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Summary: | 昭和61年から62年の2年間にわたり, むつ管内を中心として青森県のヌカカ調査を実施してきたが, その結果, 本県で採集されたヌカカの種類は, 同定種16種, 未同定種4種が確認された. とくに, むつ管内では14~20種と県内でも種類の多い地域であった. 本県のヌカカ相は, ヨーロッパ, シベリアなどと共通する旧北区系の種類が多く認められたが, しかし, 同一県内にもかかわらずヌカカの種類や採集数は調査場所により異っていた. ヌカカの優占種を大きく地域的にわけると, 津軽・三八地方 (青森, 弘前, 木造, 八戸管内) はシナノヌカカ, ナミヌカカ, ミヤマヌカカに, 下北地方 (むつ管内) はホシヌカカ, エゾヌカカに区分され, 上十三地方はこれらの両者の中間的区分と考えられる. また, 2年間継続調査した東通村と大間町の成績をまとめて, むつ管内のヌカカ数と気温の相関を求めた結果, ホシヌカカなど6種類のヌカカに1あるいは5%の危険率で正の相関性に有意差を認め, 出現時の気温を推定することができた. すなわち, 当該地域ではおよそ平均気温16~17℃, 最高気温19~20℃, 最低気温13~14℃ で出現すると予測される. また, 出現気温から出現期間を推定すると, ホシヌカカが最も長く6月中・下旬から9月下旬から10月上旬, その他は6月中旬から9月中・下旬頃と推定され, 実際ヌカカ採集状況とほぼ一致するものであった. |
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Bibliography: | 392599 ZZ00014801 |
ISSN: | 0446-6454 2186-0211 |
DOI: | 10.12935/jvma1951.42.331 |