産卵低下症候群-1976 (EDS-76) ウイルスの培養細胞および発育鶏卵での増殖性ならびに病原性

わが国で分離された産卵低下症候群-1976 (EDs-76) ウイルスKE-80, ME-80, JPA-1およびH-162株の鶏およびアヒル由来細胞ならびに発育卵における増殖性および病原性について検討し, 次のような成績が得られた. 1) 供試株間における培養細胞および発育卵での増殖性ならびに病原性に差は認められなかった. 2) 供試株は鶏胚線維芽 (CE), 鶏胚肝 (CEL), 鶏腎 (CK), アヒル胚線維芽 (DE), アヒル胚肝 (DEL) およびアヒル腎 (DK) 細胞でCPEをともない増殖したが. CEL, DELおよびDK細胞で最も良, 増殖した. 3) CEL, DELおよ...

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Published inNippon Juishikai zasshi Vol. 37; no. 8; pp. 510 - 515
Main Authors 野中, 富士男, 松尾, 和夫, 山田, 進二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医師会 01.08.1984
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Summary:わが国で分離された産卵低下症候群-1976 (EDs-76) ウイルスKE-80, ME-80, JPA-1およびH-162株の鶏およびアヒル由来細胞ならびに発育卵における増殖性および病原性について検討し, 次のような成績が得られた. 1) 供試株間における培養細胞および発育卵での増殖性ならびに病原性に差は認められなかった. 2) 供試株は鶏胚線維芽 (CE), 鶏胚肝 (CEL), 鶏腎 (CK), アヒル胚線維芽 (DE), アヒル胚肝 (DEL) およびアヒル腎 (DK) 細胞でCPEをともない増殖したが. CEL, DELおよびDK細胞で最も良, 増殖した. 3) CEL, DELおよびDK細胞におけるウイルスの増殖は接種後1日目に認められ, 3日目に最高となり, 7日目まで持続した. HA素は1日目から産生され, 最高に達したのは4~5日目であった. 4) 供試株は発育鶏およびアヒル卵の尿腔内および卵黄嚢内接種で増殖したが, アヒル卵内でよりよく増殖した. 5) 供試株は発育鶏およびアヒル卵に病原性を示し, 病変形成と胚の死亡が観察されたが, アヒル卵の方が顕著であった. 6) 以上の所見から日本で分離されたEDS-76ウイルスは鶏よりアヒル由来の細胞および発育卵で良く増殖し, アヒル胚に強い病原性を示し, アヒル由来ウイルスの可能性が示唆された.
Bibliography:ZZ00014801
293421
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma1951.37.510