心房ペーシングによる馬の房室伝導機能に関する評価

あらかじめ心電図を24時間記録された軽種馬6頭について, 房室伝導機能を電気生理学的に検討した. 6頭中5頭に第2度房室ブロックが認あられ, 散発群2頭 (心室脱落0, 32拍/24hr) と頻発群4頭 (心室脱落216~2643拍/24hr) に分けられた. 40または50回/minの刺激頻度で心房ペーシングを行ったところ心室脱落が発生した. 40から100回/minへの刺激頻度の漸増にともない平均P-R間隔は延長し, 一定刺激頻度での平均P-R間隔は頻発群において散発群より長かったが, 平均R-R間隔は心房ペーシングの刺激頻度に関係なく全例とも一定値を示した. 房室伝導曲線 (R-R間隔最...

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Published inNippon Juishikai zasshi Vol. 47; no. 9; pp. 658 - 662
Main Authors 山谷, 吉樹, 久保, 勝義, 天田, 明男, 佐藤, 敬
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医師会 01.09.1994
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Summary:あらかじめ心電図を24時間記録された軽種馬6頭について, 房室伝導機能を電気生理学的に検討した. 6頭中5頭に第2度房室ブロックが認あられ, 散発群2頭 (心室脱落0, 32拍/24hr) と頻発群4頭 (心室脱落216~2643拍/24hr) に分けられた. 40または50回/minの刺激頻度で心房ペーシングを行ったところ心室脱落が発生した. 40から100回/minへの刺激頻度の漸増にともない平均P-R間隔は延長し, 一定刺激頻度での平均P-R間隔は頻発群において散発群より長かったが, 平均R-R間隔は心房ペーシングの刺激頻度に関係なく全例とも一定値を示した. 房室伝導曲線 (R-R間隔最小値と刺激頻度の関係) より求められた最短縮時R-R間隔は, 散発群では700msec以下, 散発群では750msec以上であった. 以上から, 心室脱落発生頻度の高い例では, 房室結節の伝導機能が低下していることが示唆された.
Bibliography:ZZ00014801
502088
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma1951.47.658