ルチンによる治療が奏効した特発性乳糜胸の猫の1例

特発性乳糜胸と診断された猫に対し, 高用量ルチン療法 (500mg, 1日3回, 経口投与) による治療を行った. 治療開始後, 胸水量は徐々に減少した. さらに29日後にルチンの1日投与量を1, 500mgから2,000mgに増量したところ, 治療開始後150日目には胸水貯留がほとんど認められなくなり, 最終的に治療開始後450日目にルチン投与を中止することができた. 現在, 治療開始後約2年を経過したが, 胸水の貯留や臨床症状は認められていない. 以上の結果から, 猫の特発性乳糜胸に対して高用量ルチン療法が右効である可能性が示唆された....

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Published inNippon Juishikai zasshi Vol. 58; no. 1; pp. 54 - 57
Main Authors 加藤, 友香, 浅野, 和之, 並木, 誠, 久楽, 賢治, 佐々木, 由枝, 手島, 健次, 枝村, 一弥, 田中, 茂男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医師会 01.01.2005
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Summary:特発性乳糜胸と診断された猫に対し, 高用量ルチン療法 (500mg, 1日3回, 経口投与) による治療を行った. 治療開始後, 胸水量は徐々に減少した. さらに29日後にルチンの1日投与量を1, 500mgから2,000mgに増量したところ, 治療開始後150日目には胸水貯留がほとんど認められなくなり, 最終的に治療開始後450日目にルチン投与を中止することができた. 現在, 治療開始後約2年を経過したが, 胸水の貯留や臨床症状は認められていない. 以上の結果から, 猫の特発性乳糜胸に対して高用量ルチン療法が右効である可能性が示唆された.
Bibliography:ZZ00014801
720834
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma1951.58.54