殺虫剤ピラクロホスのキャベツにおける代謝

ピラクロボス (ボルテージ) のベンゼン環14C-標識体を用いて, キャベツにおける吸収, 移行性および代謝分解性を実験室条件下で検討した. キャベツの葉面上に2μg/cm2の割合で14C-ピラクロホスを塗布処理すると, ピラクロホスは半減期約1週間の速度で減少した. 葉面塗布処理30日後の14C-放射活性 (14C) の大部分は処理部位から検出され, 非処理部へ移行した量は少なかった. 葉部中におけるピラクロホスの主要代謝経路はP-O-aryl結合の開裂による1-(4-chlorophenyl)-4-hydroxypyrazole (CHP) の生成, およびCHPとグルコースあるいはマロニ...

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Published inJournal of Pesticide Science Vol. 20; no. 4; pp. 463 - 470
Main Authors 田代, 茂喜, 山元, 章裕, 杉田, 紀夫, 岡田, 嘉之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農薬学会 1995
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Summary:ピラクロボス (ボルテージ) のベンゼン環14C-標識体を用いて, キャベツにおける吸収, 移行性および代謝分解性を実験室条件下で検討した. キャベツの葉面上に2μg/cm2の割合で14C-ピラクロホスを塗布処理すると, ピラクロホスは半減期約1週間の速度で減少した. 葉面塗布処理30日後の14C-放射活性 (14C) の大部分は処理部位から検出され, 非処理部へ移行した量は少なかった. 葉部中におけるピラクロホスの主要代謝経路はP-O-aryl結合の開裂による1-(4-chlorophenyl)-4-hydroxypyrazole (CHP) の生成, およびCHPとグルコースあるいはマロニルグルコースとの抱合体の生成であった. 親化合物は葉部の処理部位にわずかに認められたが, 非処理部からは検出されなかった. 14C-ピラクロホスを濃度10ppmの割合で混和処理した土壌を用いてキャベツを30日間栽培したとき, 処理した14Cの大部分は処理土壌中に認められた. 植物体へ移行した14Cはわずかであり, そのほとんどは根部中に認められた. 一方, 地上部中へ移行した14Cはごくわずかであり, 親化合物は検出されなかった.
Bibliography:532152
ZZ00015061
ISSN:1348-589X
0385-1559
1349-0923
DOI:10.1584/jpestics.20.463