非解離性農薬の根菜類根部による取り込みに関する数理モデル

1-オクタノール/水分配係数 (log Kow) の異なる非解離性農薬 furametpyr (log Kow=2.36) 及び pyriproxyfen (log Kow=5.37) を使用し, 水耕栽培にてダイコン根部への取り込み経路を調べたところ (1) 蒸散流を介した根毛から根内部への移行, (2) 暴露水から根部表層への分配吸着, (3) 根部表層から根内部への浸透拡散, と大きく3種類に分類された. furametpyr は蒸散流とともに根毛から根内部に取り込まれるのに対して, pyriproxyfen は根部表層に分配吸着され, その後表層から内部へと浸透拡散すると思われ, lo...

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Published inJournal of Pesticide Science Vol. 27; no. 3; pp. 242 - 248
Main Authors 瀧本, 善之, 一瀬, 桂子, 片木, 敏行, 藤澤, 卓生, 福島, 雅雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農薬学会 2002
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ISSN1348-589X
0385-1559
1349-0923
DOI10.1584/jpestics.27.242

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Summary:1-オクタノール/水分配係数 (log Kow) の異なる非解離性農薬 furametpyr (log Kow=2.36) 及び pyriproxyfen (log Kow=5.37) を使用し, 水耕栽培にてダイコン根部への取り込み経路を調べたところ (1) 蒸散流を介した根毛から根内部への移行, (2) 暴露水から根部表層への分配吸着, (3) 根部表層から根内部への浸透拡散, と大きく3種類に分類された. furametpyr は蒸散流とともに根毛から根内部に取り込まれるのに対して, pyriproxyfen は根部表層に分配吸着され, その後表層から内部へと浸透拡散すると思われ, log Kow に依存して取り込みの主要経路が変化することが示唆された. 以上の結果をもとに partition-theory を原理として, 新たに農薬の根菜類根部への取り込みを予測できる数理モデルを構築した. また, モデル構築時の1/10の濃度で処理された furametpyr および pyriproxyfen の根部取込み量を分析し, 予測値と比較した. その予測値と実測値の比は furametpyr で1.01-1.38, pyriproxyfen で0.75-1.28となり, 本モデルの有効性を示す良好な結果が得られた.
Bibliography:660125
ZZ00015061
ISSN:1348-589X
0385-1559
1349-0923
DOI:10.1584/jpestics.27.242