所有者不明の幼齢猫140頭における猫免疫不全ウイルス,猫白血病ウイルス及び猫コロナウイルスの感染状況

所有者不明猫140頭の3~4週齢時(初回)とその4~31週間後(2回目)に猫免疫不全ウイルス(FIV)抗体,猫白血病ウイルス(FeLV)抗原及び猫コロナウイルス(FCoV)抗体を検査した.初回FIV陽性34頭中31頭(91.2%)が2回目に陰転,初回陰性106頭は2回目もすべて陰性で,幼齢期でFIVの感染リスクが低いことが示された.FCoVでは初回陰性129頭中18頭(14.0%)が2回目に陽転し,幼齢期でもある程度の感染機会があることが示された.初回FCoV陽性11頭中9頭(81.8%)が2回目に陰転しており,早期離乳された猫の中には初回時に保有していた移行抗体が2回目に検出レベル以下に減少...

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Published inNippon Juishikai zasshi Vol. 71; no. 10; pp. 577 - 580
Main Authors 山下, 伸幸, 石川, 尚之, 吉内, 龍策, 本田, 善久, 山本, 博起, 細井戸, 大成, 相馬, 武久, 北尾, 晃一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医師会 20.10.2018
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ISSN0446-6454
2186-0211
DOI10.12935/jvma.71.577

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Summary:所有者不明猫140頭の3~4週齢時(初回)とその4~31週間後(2回目)に猫免疫不全ウイルス(FIV)抗体,猫白血病ウイルス(FeLV)抗原及び猫コロナウイルス(FCoV)抗体を検査した.初回FIV陽性34頭中31頭(91.2%)が2回目に陰転,初回陰性106頭は2回目もすべて陰性で,幼齢期でFIVの感染リスクが低いことが示された.FCoVでは初回陰性129頭中18頭(14.0%)が2回目に陽転し,幼齢期でもある程度の感染機会があることが示された.初回FCoV陽性11頭中9頭(81.8%)が2回目に陰転しており,早期離乳された猫の中には初回時に保有していた移行抗体が2回目に検出レベル以下に減少する例が存在していたことが示された.FeLVについては,両回とも全例陰性であった.猫のウイルス性感染症の実態を明らかにするためには,一般状態の良い猫を対象とした今回のような調査だけでなく,今後さまざまな猫の集団を対象に同様の調査を行うことが重要と考えられる.
Bibliography:ZZ00014801
925518
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma.71.577