マレック病罹患鶏からの鶏貧血ウイルス遺伝子の検出

地鶏の種鶏及び肉用鶏を飼養する鹿児島県内の養鶏農場で,マレック病が発生した.当該農場では過去2年間にわたり本病が散発していたことから,マレック病ウイルス以外の病原体の関与を疑い,本症例及び当該農場の過去症例の検体を用いて各種の鶏ウイルス遺伝子をPCR法にて検索した.その結果,マレック病罹患鶏の脾臓及び肝臓から鶏貧血ウイルスの特異遺伝子が検出され,当該農場のマレック病罹患鶏には,鶏貧血ウイルスが混合感染していたと考えられた.当該農場のマレック病罹患鶏からは,貧血や脾臓におけるリンパ球減少など,両ウイルスの混合感染実験と類似した所見も得られており,当該農場でのマレック病の発生や鶏の病態に対する鶏貧...

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Published inNippon Juishikai zasshi Vol. 71; no. 11; pp. 636 - 640
Main Authors 中村, 誠, 濵﨑, 幸一, 坂口, 善二郎, 岡田, 大輔, 岩本, 滋郎, 堂福, 莉菜, 藤園, 昭一郎, 北原, 尚英
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医師会 20.11.2018
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ISSN0446-6454
2186-0211
DOI10.12935/jvma.71.636

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Summary:地鶏の種鶏及び肉用鶏を飼養する鹿児島県内の養鶏農場で,マレック病が発生した.当該農場では過去2年間にわたり本病が散発していたことから,マレック病ウイルス以外の病原体の関与を疑い,本症例及び当該農場の過去症例の検体を用いて各種の鶏ウイルス遺伝子をPCR法にて検索した.その結果,マレック病罹患鶏の脾臓及び肝臓から鶏貧血ウイルスの特異遺伝子が検出され,当該農場のマレック病罹患鶏には,鶏貧血ウイルスが混合感染していたと考えられた.当該農場のマレック病罹患鶏からは,貧血や脾臓におけるリンパ球減少など,両ウイルスの混合感染実験と類似した所見も得られており,当該農場でのマレック病の発生や鶏の病態に対する鶏貧血ウイルスの関与も考えられた.しかし,その可能性を明らかにするためには,今後のさらなる研究が必要と考えられた.
Bibliography:925779
ZZ00014801
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma.71.636