犬及び猫の血液を用いた動物用自動血球計数装置Microsemi LC‐662の評価
インピーダンス法を用いた臨床現場即時検査(POCT)対応の自動血球計数装置は特に猫の血小板数(PLT)を正確に測定することが困難である.動物用自動血球計数装置Microsemi LC-662(LC)は測定原理にインピーダンス法を用いたPOCT対応機器である.本研究では基準機にはSysmex XT-2000iV(XT)を用いて,さらにLCと同じ測定原理を用いたPOCT対応機器であるCelltac α(Cα)を比較対象として,LCの精度評価を行った.また,採血直後の測定ができない場合も考慮して血液保存による測定値への影響に関しても検討した.検討用血液は,相関性の確認には健常犬9頭及び猫5頭と,無作...
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Published in | Nippon Juishikai zasshi Vol. 70; no. 12; pp. 795 - 799 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本獣医師会
20.12.2017
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Subjects | |
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Summary: | インピーダンス法を用いた臨床現場即時検査(POCT)対応の自動血球計数装置は特に猫の血小板数(PLT)を正確に測定することが困難である.動物用自動血球計数装置Microsemi LC-662(LC)は測定原理にインピーダンス法を用いたPOCT対応機器である.本研究では基準機にはSysmex XT-2000iV(XT)を用いて,さらにLCと同じ測定原理を用いたPOCT対応機器であるCelltac α(Cα)を比較対象として,LCの精度評価を行った.また,採血直後の測定ができない場合も考慮して血液保存による測定値への影響に関しても検討した.検討用血液は,相関性の確認には健常犬9頭及び猫5頭と,無作為に選出した疾患犬90頭及び猫62頭,血液保存による測定値への影響の検討には健常犬9頭及び猫5頭から得たものを用いた.血小板数(PLT)の相関は,犬ではLC/XTとCα/XTで同程度に高かった.一方,猫においてはCα/XTは中等度の相関に止まったのに対し,LC/XTでは高度の相関が認められた.保存による影響については,温度と時間経過の両面から検討した.その結果,4℃で長時間保存すると,犬,猫共にPLTが顕著に減少し,白血球数は増加した. |
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Bibliography: | ZZ00014801 920755 |
ISSN: | 0446-6454 2186-0211 |
DOI: | 10.12935/jvma.70.795 |