肥育豚の盲腸内容物と回結腸リンパ節からのサルモネラの分離

われわれは,肥育豚の盲腸内容物と回結腸リンパ節からサルモネラを分離し,豚のサルモネラ保菌検査における回結腸リンパ節の有用性及び回結腸リンパ節の増菌培養時間について検討した.25農場中3農場(12%),250頭中13頭(5.2%)がサルモネラ陽性であった.その後の陽性2農場の継続調査を含め,340頭中52頭(15%)からサルモネラが分離された.盲腸内容物のサルモネラ陽性率は10%(34/340),回結腸リンパ節のそれは11%(38/340)であり,統計的に有意差はなかった.しかし,盲腸内容物のみの結果では供試豚のサルモネラ保菌率は10%となるが,回結腸リンパ節の結果を合わせると保菌率は15%に上...

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Published inNippon Juishikai zasshi Vol. 74; no. 4; pp. 255 - 258
Main Authors 佐藤, 博, 齊藤, こずえ, 原, 智之, 阿部, 久司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医師会 20.04.2021
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Summary:われわれは,肥育豚の盲腸内容物と回結腸リンパ節からサルモネラを分離し,豚のサルモネラ保菌検査における回結腸リンパ節の有用性及び回結腸リンパ節の増菌培養時間について検討した.25農場中3農場(12%),250頭中13頭(5.2%)がサルモネラ陽性であった.その後の陽性2農場の継続調査を含め,340頭中52頭(15%)からサルモネラが分離された.盲腸内容物のサルモネラ陽性率は10%(34/340),回結腸リンパ節のそれは11%(38/340)であり,統計的に有意差はなかった.しかし,盲腸内容物のみの結果では供試豚のサルモネラ保菌率は10%となるが,回結腸リンパ節の結果を合わせると保菌率は15%に上昇した.したがって,盲腸内容物のみでなく回結腸リンパ節も材料として用いることにより,豚のサルモネラ保菌状況をより正確に把握できると考えられる.また,回結腸リンパ節の増菌培養時間に関しては,48時間培養の陽性率は11%で,24時間培養の7.9%よりも有意に高かった.
Bibliography:ZZ00014801
937833
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma.74.255