僧帽弁形成術の前後にVector Flow Mappingを実施した犬の1例

僧帽弁閉鎖不全症と診断された7歳,雄のチワワに僧帽弁形成術 (mitral valve plasty; MVP)を行った。MVP前後の血流方向の変化を評価するために,超音波を用いたvector flow mappingを実施した。解析の結果,MVP前後で血流方向に明らかな変化は見られず,拡張早期に左室内に流入した血流は心尖部に向かったのち心室中隔に沿って流出路へと向かった。また,術前に左室内の中隔側と自由壁側に認められた渦は,術後には自由壁側で消失したが,中隔側に大きなものが残っていた。このように手術後により正常に近い血流となっていたことから,良好なMVPが行われていたことが血流解析の結果から...

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Published inDōbutsu no junkanki Vol. 50; no. 2; pp. 67 - 72
Main Authors 有山, 夏鈴, 菅野, 信之, 横井, 愛美, 手島, 健次, 草加, 七海, 鈴木, 陽彦, 松浦, 功泰, 長久保, 大, 榎園, 昌之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Tokyo 日本獣医循環器学会 2017
Japan Science and Technology Agency
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Summary:僧帽弁閉鎖不全症と診断された7歳,雄のチワワに僧帽弁形成術 (mitral valve plasty; MVP)を行った。MVP前後の血流方向の変化を評価するために,超音波を用いたvector flow mappingを実施した。解析の結果,MVP前後で血流方向に明らかな変化は見られず,拡張早期に左室内に流入した血流は心尖部に向かったのち心室中隔に沿って流出路へと向かった。また,術前に左室内の中隔側と自由壁側に認められた渦は,術後には自由壁側で消失したが,中隔側に大きなものが残っていた。このように手術後により正常に近い血流となっていたことから,良好なMVPが行われていたことが血流解析の結果からも示唆された。
Bibliography:921021
ZZ00011639
ISSN:0910-6537
1883-5260
DOI:10.11276/jsvc.50.67