山形県内マダニのマダニ媒介感染症病原体調査
山形県におけるマダニ媒介感染症(TBD)発生の考察の一助とするため,2016~2018年に山形県内で採取された植生マダニ成虫158匹及び野生動物由来マダニ成虫112匹を対象にTBD病原体遺伝子の検出を試みた.結果,全マダニ検体で国内既知のTBDである日本紅斑熱,ライム病,回帰熱,ダニ媒介脳炎,及び重症熱性血小板減少症候群の病原体遺伝子は不検出だった.一方,ヒトツトゲマダニ30匹及びヤマトチマダニ1匹からはRickettsia helvetica,タネガタマダニ1匹からはRickettsia monacensis 特異的塩基配列が検出された.本研究により,山形県では国内既知のTBDは人に対する大...
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Published in | Nippon Juishikai zasshi Vol. 73; no. 9; pp. 517 - 524 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本獣医師会
20.09.2020
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Summary: | 山形県におけるマダニ媒介感染症(TBD)発生の考察の一助とするため,2016~2018年に山形県内で採取された植生マダニ成虫158匹及び野生動物由来マダニ成虫112匹を対象にTBD病原体遺伝子の検出を試みた.結果,全マダニ検体で国内既知のTBDである日本紅斑熱,ライム病,回帰熱,ダニ媒介脳炎,及び重症熱性血小板減少症候群の病原体遺伝子は不検出だった.一方,ヒトツトゲマダニ30匹及びヤマトチマダニ1匹からはRickettsia helvetica,タネガタマダニ1匹からはRickettsia monacensis 特異的塩基配列が検出された.本研究により,山形県では国内既知のTBDは人に対する大いなる脅威とは言えないものの,国内未報告のTBDを含め,今後もTBD症例発生に対する注意が必要であると考えられた. |
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Bibliography: | ZZ00014801 935756 |
ISSN: | 0446-6454 2186-0211 |
DOI: | 10.12935/jvma.73.517 |