飼育犬から分離されたEscherichia albertii の性状

Escherichia albertii は新しく認定された腸管病原性細菌で,わが国でも集団食中毒事例が報告されている.本菌は特徴的な生化学性状に乏しく,腸管病原性大腸菌(EPEC)や腸管出血性大腸菌(EHEC)との鑑別が難しい.われわれは,健康な飼育犬の糞便から,E. albertii を分離・同定した.本分離株は,病原性関連遺伝子(eae )及び細胞膨張化致死毒素(cdt )を保有していたが,志賀毒素遺伝子(stx2f )は保有していなかった.また,既報と同様,ペニシリン,アンピシリン及びエリスロマイシンに耐性を示した.飼育犬からE. albertii が分離されたことより,犬が人への感染...

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Published inNippon Juishikai zasshi Vol. 73; no. 4; pp. 191 - 194
Main Authors Karn, Duangtathip, Huong, Nguyen Thi Thu, 井口, 純, 三澤, 尚明, 谷口, 喬子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医師会 20.04.2020
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Summary:Escherichia albertii は新しく認定された腸管病原性細菌で,わが国でも集団食中毒事例が報告されている.本菌は特徴的な生化学性状に乏しく,腸管病原性大腸菌(EPEC)や腸管出血性大腸菌(EHEC)との鑑別が難しい.われわれは,健康な飼育犬の糞便から,E. albertii を分離・同定した.本分離株は,病原性関連遺伝子(eae )及び細胞膨張化致死毒素(cdt )を保有していたが,志賀毒素遺伝子(stx2f )は保有していなかった.また,既報と同様,ペニシリン,アンピシリン及びエリスロマイシンに耐性を示した.飼育犬からE. albertii が分離されたことより,犬が人への感染源となり得る可能性が示唆された.
Bibliography:932703
ZZ00014801
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma.73.191