髄膜腫を疑った犬に対してオンコサーミアを実施した1例

11歳のミニチュアダックスフントが全般発作を主訴に来院し,MRI検査で髄膜腫と診断された.抗がん剤等の治療を希望されなかったため,病変に対し温熱療法の1つであるラジオ波誘導温熱療法(オンコサーミア)を実施した.本症例は治療開始より1,065日で亡くなった.その間,てんかん様発作は認められたものの,一般状態は良好に維持されていた.今回の症例では,オンコサーミアによって長期間の生存が可能であった(33.1カ月).これは,手術及び放射線を併用した場合と同等の生存期間である.さらに,その期間は大きな副作用もなく,症例のQuality Of Lifeは良好に維持されていた.この結果から,オンコサーミアは...

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Published inNippon Juishikai zasshi Vol. 71; no. 6; pp. 303 - 306
Main Authors 黒田, 晃平, 東, 和生, 村端, 悠介, 大﨑, 智弘, 柄, 武志, 伊藤, 典彦, 今川, 智敬, 岡本, 芳晴
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本獣医師会 20.06.2018
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Summary:11歳のミニチュアダックスフントが全般発作を主訴に来院し,MRI検査で髄膜腫と診断された.抗がん剤等の治療を希望されなかったため,病変に対し温熱療法の1つであるラジオ波誘導温熱療法(オンコサーミア)を実施した.本症例は治療開始より1,065日で亡くなった.その間,てんかん様発作は認められたものの,一般状態は良好に維持されていた.今回の症例では,オンコサーミアによって長期間の生存が可能であった(33.1カ月).これは,手術及び放射線を併用した場合と同等の生存期間である.さらに,その期間は大きな副作用もなく,症例のQuality Of Lifeは良好に維持されていた.この結果から,オンコサーミアは犬の髄膜腫の進行を抑える効果がある可能性が示唆された.
Bibliography:ZZ00014801
922590
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma.71.303